閣下とマのつくトサ日記!?/喬林知
魔王ユーリ陛下に超絶熱烈忠誠(ぞっこんラブ)を誓う王佐・ギュンター閣下。
彼が申そうの暴走にまかせて書きためた「陛下ラブラブ日記」の評判が口コミで広がり、ついには眞魔国の出版社が本にしたいと申し入れてきた” 敏腕編集者の求めに応じ、日記からめぼしいネタを拾ううちに、陛下(ユーリ)と三男(ヴォルフラム)のこんな話や、長男(グウェンダル)と赤い悪魔(アニシナ)のそんな話、ついには次男(コンラッド)のあんな過去まで飛び出して……!?
抱腹絶倒ハイテンション・ファンタジー、捨て身の特別編!
今回はちょっと変わった短編集です。
というのも、今回はギュンターが編集者・バドウィックに自身の日記から抜粋した話(短編)を聞かせるって形になっています。
なので主人公であるユーリは少ししか登場しなかったり。
『じゃじゃクマならし』
ユーリとヴォルフラムの冒険話。
というか、ユーリがヴォルフラムを自分の部屋から追い出すために、迎賓棟にすみついた怪物をやっつけようとするんです。
でもそこにいたのは絶滅危惧種のクマハチ。
クマハチかわいいですよね。
ユーリとヴォルフラムのやりとりが読んでいておもしろかったです。
なんというか、この2人って温度差が激しいのでそれがなんだか楽しい。
ヴォルフラムがユーリ好きすぎてものすごい勢いで迫っているからなぁ。
陛下トトで「ヴォルフラムに押し切られる」が上位にあるのもわからなくもないです(笑)
『ロメロとアルジェント』
グウェンダルの襲った悲劇の話。
えっと、結婚というつまらないものに縛られるのがいやなアニシナが一計をめぐらす話。
アニシナが怖いです。
「ロメロとアルジェント」というのは眞魔国の古典。悲劇です。
タイトルからしてわかるかもしれませんが、内容的には「ロミオとジュリエット」。
「なるほどロミジュリのパロなのね」と納得してはいけません。
最後のオチがマジでグウェンダルにとっては悲劇です。
『終わりよければすべてよし』
コンラッドが魔王になるべき魂を地球に運ぶ話。
ユーリの魂が元スザナ・ジュリアであることが明かされます。
ジュリアとコンラッド、そしてアーダルベルトの関係がよくわかりませんね。
ジュリアとアーダルベルトは婚約関係にあったんですよね?
現在ユーリが持っているあの青い魔石もジュリアから貰ったもののようですし、ジュリアが死後自身の魂を預けることを望んだのもコンラッド。
そして、アーダルベルトが魔族を離れ人間のもとにいるのもジュリアの死は無関係とは思えません。
うーん、いつかちゃんと説明されるかな? というか説明してほしいです。
荒んだコンラッドという本編では見られることのないであろう珍しい姿が見られます。
コンラッドって今までの話だといつもさわやかに見守っている兄、みたいな印象だったのでギャップが大きかったですね。
その後の話(タクシー相乗りとか)も確か語られていたはずなので、楽しみにしていたいと思います。
ちょっと変わったかたちでしたが、なかなか面白かったです。
明日は何読もうかな。
ちょっと小説を読むのは厳しいくらい忙しくなってきたので、もしかしたら来月は漫画ばっかり紹介することになるやもしれません。
ご了承を。
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