涼宮ハルヒの分裂/谷川流
桜の咲く季節を迎え、涼宮ハルヒ率いるSOS団の面々が無事に進級を果たしたのは慶賀に堪えないと言えなくもない。だが爽やかなはずのこの時期に、なんで俺はこんな面子に囲まれているんだろうな。顔なじみのひとりはいいとして、以前に遭遇した誘拐少女と敵意丸出しの未来野郎、そして正体不明の謎女。そいつらが突きつけてきた無理難題は、まあ要するに俺をのっぴきならない状況に追い込むものだったのさ。大人気シリーズ第9弾!
結構久しぶりのハルヒです。
これの発売が2007年春で、続きというか後編である
驚愕が今年5月にでたことを考えると作者もまあずいぶんとジラしたものですね。
あれだけ騒がれたのは内容的にも年数的にも待望の新刊だったからなんですね。
今回はあらすじにもあるとおり、春休みから新学期にかけての話です。
春休みに出会ったキョンの中学時代の友人が今回の、というかこれからの物語の鍵を握っているっぽいです。
その友人というのが、佐々木。
国木田や、長門にひとめぼれした
中河くんとかがちらりと存在を匂わせていた人物です。
その佐々木の脇を固めるのが、朝比奈さんを誘拐しようとした少女・橘京子、嫌味ったらしい未来人・藤原、謎の少女・周防九曜。
朝比奈さんと藤原、古泉くんと橘京子、長門と周防九曜というようにそれぞれ対になるように人員が配置されているのです。
どうにも彼女らとSOS団の面々は敵対しているっぽいですね。
橘京子は朝比奈さんを誘拐しようとし、藤原は朝比奈さんを邪魔しようとしていたし、周防九曜に到っては
雪山で長門を危機に追いやった勢力のものらしいです。
前半はともかく後半は読んでいて混乱しそうになってしまいました。
パターンαとパターンβの話が交互に挿入されていて、似たようなことをしているものの、話がどんどん違う方向に進んでいくんです。
正直、何がなんだかよくわからないまま。
これをリアルタイムで読んだ人はすごくヤキモキしたんでしょうね。これで、謎が明らかになるであろう驚愕を4年待たされていたら怒りたくなるかもしれない。
佐々木と再会し、新たな宇宙人未来人超能力者と顔を合わせた日の夜、電話がかかってきたところで話がわかれます。
まずはパターンα。
電話の相手は「わたぁし」。
正体は不明なんですが、SOS団に新入部員候補がたくさんやってくるんです。
キョンが気にしていた少女がきっと何かあるんだろうなぁ。
人数の把握をキョンが間違ったってことがちょっと腑に落ちないので。
そういうどうでもいいことをきちんと見ていそうなイメージがあるんですよね。
この少女が今後どうSOS団に関わってくるのか……。
次は、パターンβ。
電話の相手は佐々木。
佐々木を取り巻く3人と話し合いに出向きます。
そこで語られたのは「涼宮ハルヒに宿る神様めいた力は本当は佐々木に宿るはずだった」と。
もう今までの話が根底から覆るような話なわけです。
そして、翌日の学校に長門が出てきていなくて。
雪山症候群のときのように長門に攻撃が仕掛けられているらしい、とSOS団全員で長門のマンションに向かったところで次巻へ続きます。
パターンβを読んでいてふと「もしかしたら神様的力を持っているのはハルヒでも佐々木でもなくキョンなのではないか」と思いました。
憂鬱冒頭でも、この巻でも語られていましたが、キョンはこういう騒動に巻き込まれたいと思っていた節があります。
だからキョンの無意識が騒動に巻き込まれることを望んで、ハルヒに神様的能力を与えて、ハルヒの敵として佐々木を舞台に引っ張り上げたのかなぁ、とか。
まあ、次巻を読めばきっとわかりますね。
あまり予想して大はずれだったら恥ずかしいのでこの辺で。
続きは近いうちに読みたいと思います。
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