涼宮ハルヒの暴走/谷川流
夏休みに山ほど遊びイベントを設定しようとも、宿敵コンピ研が持ちかけてきた無理無茶無謀な対決に挑もうとも、ハルヒはそれが自身の暴走ゆえとはこれっぽっちも思っていないことは明白だが、いくらなんでもSOS団全員が雪山で遭難している状況を暴走と言わずしてなんと言おう。こんなときに頼りになる長門が熱で倒れちまって、SOS団発足以来、最大の危機じゃないのか、これ!? 非日常系学園ストーリー。絶好調の第5巻!
昨日時間配分を間違って読みきれなかった涼宮ハルヒの暴走です。
5月に新刊発売らしいので、それまでにシリーズ一通り読んでおきたいのですが、読めるかな?
『エンドレスエイト』、
『射手座の日』、
『雪山症候群』の3作とキョンの独白めいた各物語の序章が収録されています。
『エンドレスエイト』
終らない夏休みの話。
私、先にアニメ見たんですけど、アニメがあまりにもくどかった分、すごいすっきりしてる印象を受けました。
アニメでは“エイト”にかけて8話やったんでしたっけ?
あれは3話目くらいから飽きがきて一気にDVDを借りた身としては非常に辛かったです。
服装だとか、お店やお面が微妙に違うとかそういう違いこそありましたが、おおまかな流れはほぼ一緒。
あれは辛かった。
そう思うと、原作のすっきり具合は非常によかったです。
『射手座の日』
お隣コンピ研が勝負をしかけてくる話。
パソコンをかけて自分たちの土俵・コンピューターゲームで戦います。
ハルヒはガンシューティングとか格ゲー好きそうですね。
作中でも書かれてましたがやりこみ系のゲームはダメそう。
ハルヒに負けることを経験させるいい機会だから、とキョンがイカサマ技を使うことを禁じます。
が、実際にイカサマをしたのはコンピ研。
長門が無言ではありますが、怒って勝利をもぎ取ります。
長門の成長が見られますね。
けど、それがバグとして判断されて、『消失』に繋がるってことなんですね。
『雪山症候群』
吹雪の山荘の話。
夏の合宿に引き続き、冬の合宿です。
夏が嵐の孤島だったのですから、冬は吹雪の山荘になるのはお約束ですね。
ただし、今回は古泉くん主催の寸劇を行うはずであり、ハルヒがそれを楽しみにしていたことから、実際に閉じ込められることはない、はずでした。
長門の力が及ばない空間に閉じ込められてしまい、時間の流れがおかしい願ったものが現れるという妙な館。
長門が倒れるほど頑張ってどうにか用意した問題を解いてどう脱出するかがキーになってきます。
時系列からしてこの話は消失のあとであるんですよね。
だからキョンが長門に頼りきりになることをちょっと躊躇います。
そして、古泉くんの告白、というか宣言。
今後、長門が窮地にたったとき1度だけ機関を裏切ってキョンの味方をする、というもの。
それだけ、古泉くんにとってキSOS団の存在が大事になっているんだな、って思うと同時に、SOS団って団員たちの背後関係ってけっこうそれぞれの思惑があるからけっこうめんどくさいんですよね……。
こういう宣言があるってことは、作者はまた長門を窮地に追い込む予定があるってことなんだろうなぁ。
『1度だけ』というのがけっこう重要なんじゃないかと思ってみたり。
合宿の目的であった推理劇はまったくわからないまま終りましたが、どんなものが披露されたのか知りたいですね。
おもしろかったです。
微妙に変わりつつある、SOS団メンバーたち。
これから先いったいどうなっていくのか楽しみです。
[0回]
COMMENT