少年陰陽師 いにしえの魂を呼び覚ませ/結城光流
時は平安。久々に平和な日々を過ごしていた、安倍晴明の後継・昌浩。そんな中、以前お世話になった道反の巫女のもとにお礼に行こうと思いたった昌浩は、紅蓮らと共に出雲へと向かうことに。だが昌浩は知らなかった。ちょうどその頃、荒魂を甦らせるための鍵を手に入れんと、謎の襲撃者が道反の聖域に襲いかかっていたことを――!! またしても新たな敵が、昌浩たちの前に立ちはだかる!! 少年陰陽師・新章、ついに開始!!
新章突入の少年陰陽師です。
これ何編になるんですかね。あとがきとか作者コメントとかを読むかぎりこの時点ではまだ決まっていなかったみたいですね。
だから『新章』。
舞台は再び道反です。
晴明にとっても、昌浩にとっても、十二神将たちにとっても道反は苦い思い出の地です。
でも、道反の丸玉がなければ昌浩は見鬼が失われたままで、天狐の力が暴走してしまうわけですからね。
お礼に行きたいという昌浩の思いもわからなくもない。
道反に行く前、都での敏次殿とのやりとりが読んでいて楽しかったです。
昌浩にとって敏次殿は尊敬すべき先輩な訳なんですが、もっくんにとってはそういうわけにはいかないんですよね。
多分、もっくんは昌浩の力が正当に評価されていないことが嫌なのかな、と今回読んでいて思いました。
人に知られることこそありませんが、昌浩は安倍晴明の唯一の後継で、人知れず辛い目にも遭いながらも頑張っているわけです。
それを知らない敏次殿に見当違いな注意をされることが我慢ならないんだろうなぁ。
あとは勾陳ともっくんのやりとりも好きでした。
男は女に口でかなわないのは人も神将も変わらないんですね(笑)
雑鬼たちが遊んでいる様はとても可愛らしかったです。
ようはブランコを作ろうとしてるわけなんですが、平安時代の話ですからね。ブランコとはいえないよな(笑)
終盤のあのシーンには本当にびっくりしました。
確かに六合と風音はそれっぽかったし、だからこそ守護妖たちのあの反応だったのでしょう。
でもまさか、あの中にあるとは……。
私、守護妖たちが意外と好きです。
見てくれはともかく行動とかは非常に微笑ましい気分になります。
それに小説なので、見てくれはそこまで気になりませんしね。
今回は、新章が始まったばかりなので、敵の正体もいまいちわからないままです。
祭祀王の末裔とされていますが、祭祀王がわからないので意味がないというかそんな感じ。
道反から奪われたものもまだボカされてますしね。
というか、新章はじまったばっかであるにも関わらずもうすでに昌浩はボロボロなんですけど、これから先どれだけボロボロになるんだろう……。
次巻も楽しみです。
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