少年陰陽師 まだらの印を削ぎ落とせ/結城光流
時は平安。天狗の子・疾風(はやち)にかけられた外法を形代にうつし、なんとか助けようとする昌浩。ところが、都では藤原行成の息子・実経(さねつね)が謎の病に倒れてしまう。疾風を襲った外法師が、実経にも同じ外法をかけていたのだ。そのうえ外法師は、実経を救いたければ、疾風から手を引けと昌浩を脅してきた!! 昌浩は疾風と実経を救うために、外法師を倒そうとするけれど――!? 大人気シリーズ<颯峰編>、激動の第三巻!!
もう9月も半ばで秋風が吹いてもいいはずなんですが、まだまだあっついです。
家にも職場にもクーラーどころか扇風機もないのできっついです。
さて、今回はあらすじにもあるとおり、颯峰編3巻です。
颯峰編って毎度毎度気になる所で終わっているので、もだもだします(笑)
なんていったらいいのかな。
前巻も確か「助かられても困る」という飄舞のせりふで終わっていたんです。
飄舞はもっくんたちがめちゃくちゃ疑っている天狗でもあるわけですから、やっぱり犯人は飄舞だったの、ってなるわけじゃないですか。
楽しみにしつつ、今巻を読み始めたら「人間の術で助けられるなど決してあってはいけない」という意味だったらしいのです。
なんで、巻を跨いで倒置法!?
びっくりしてしまいましたよ。
今巻はちょっと悲しかったです。
真っ直ぐすぎる性情の持ち主である颯峰と昌浩。
きっと仲良くなれると思うんですよ。
でも、そう簡単には事は運ばなくて。
実経君も、疾風も両方の命を守りたい昌浩は、実経君の身に降りかかったことを颯峰に伝えることが出来なくて。
そのせいで昌浩に好意的な颯峰との間に軋轢がうまれてしまうんですね。
これちゃんと説明できて、対策も練っていることを伝えたならば颯峰は協力してくれたろうと思うのですよ。
真実が明らかになったあとの行動からもわかりますよね。
だからそう考えると、「人間だから」「魔怪だから」と線を引かざるを得ないってのはすごく悲しい。
成親兄上と敏次殿のやりとりが好きでした。
敏次殿は成親に亡くなった兄を重ねているんですよね。
さらに、成親は敏次にとっては尊敬すべき先輩でもあるわけで。
だからそういう意味でも褒められたり窘められたりしているのがなんかいいな、と。
今巻を読み終えて気付いたのですが、昌浩ともっくんが一緒にいるシーンがないような気がする!
今までそんなことありましたっけ?
もっくん(&紅蓮)の代わりを朱雀がこなしているわけですが、ちょっと不思議な感じでした。
呪詛をかけて、外法師を倒すことに成功した昌浩。
実経君の外法もとけ、さあ後は疾風の外法を確認したら終わりかな、ってなるんです。まあ、実際はもっくんと勾陳捕まったままだしそう簡単には終わらないんでしょうけどね。
疾風の様子を見に行った颯峰でしたが、さらにまた一波乱あって今巻は終わり。
結局、飄舞は犯人なの?なんなの?
次巻が気になります。楽しみです。
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