ノエル先生としあわせのクーポン/シュジー・モルゲンステルン(訳/宮坂宏美、佐藤美奈子)
ノエル先生がくれたのは「学校を一日サボる券」「授業中にねる券」!?
先生がこんなふしぎなクーポンをくれるなんて、どうなってるの?
クロノス賞・バチェルダー賞次点作
小学校最終学年の担任のせんせいが、もしもでっぷりと太った、おじいさんのノエル先生だったら? 体育は、あきらめなくてはならないし、ちっともウキウキしない! しかもその先 生は、「宿題をしない券」「学校を一日サボる券」「わすれ物をする券」なんて不思議なクーポンを配りはじめた。先生のかたやぶりな授業が楽しみになってきたころ、校長先生が、ノ エル先生をやめさせようと――。
図書館で借りてきました。
原著がフランス語ゆえに、上記作者名ですが、英語読みのスージー・モーゲンスターンという名前でも出版しているようです。
フランスの小学校が舞台です。
フランスでは小学校は5年生で終わりのようで、その5年生の担任になったのがユベール・ノエル先生。
ノエル先生にまったく期待をしていなかった生徒たちでしたが、先生がくばったクーポンと授業の方法に徐々に先生が大好きになっていくのです。
クーポンというと、ニュアンス的に分かりづらい気がするのですが、イメージ的には小さな子が作ってプレゼントする「肩たたき券」とか「お手伝い券」とかそういうもののイメージでしょうか。
あらすじにもあるような券をはじめ、様々な券がありそれらを使っていく中ではじめはちょっとな、と思っていたノエル先生を生徒たちが大好きになっていくのです。
でも、ノエル先生のやり方は校長先生からするともう信じられないようなもの。
そりゃそうですよね。
「クーポンがあるから休みます!」とか「宿題やりません!」とか言われてしまったら困ってしまいますもん。
ノエル先生のやり方は校長先生をはじめ、教育庁といった機関には通用しませんでした。
ノエル先生は一年間の担任を終え、学校を去ることになるのですが、ノエル先生の授業を受けた生徒たちはきっと楽しく人生を送ることができるようになるのでしょうね。
彼らが大人になった姿を見てみたい気もしますが、きっとステキな大人になるのだろうな、と夢想する程度にしておきます(笑)
うーん、児童書ですから最終的には校長先生も一緒にクーポンを使うことを楽しめるようになるのでは?と思っていたのですが、そうはならなかったのが残念。
訳者あとがきでも触れられていましたが、そこの意図は作者のみぞ知るもののようです。
この本、少なくとも数年前からあると思うのですが全然借りられている様子がないのが残念。
70ページほどの本当に短い本です。
文字も大きいので本を読むのになれていない子でも読めると思うのでぜひもっと手に取ってもらえればなと思いました。
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