盗まれたコカ・コーラ伝説/ブライアン・フォークナー(訳/三辺律子)
世界一有名なソフトドリンク。コカ・コーラ。
そのレシピが盗まれた!!!
どんなソフトドリンクでも、ひと口のめば銘柄をあてられる、そんな特技を持った少年フィザーが事件に立ち向かうが…。
コカ・コーラがこの世からなくなってしまう、大ピンチをすくえるか?
図書館で借りてきました。
こんな本があるから図書館通いはやめられません。
コカ・コーラにまつわる都市伝説、いわゆるコークロアの『コカコーラの原液の作り方を知っているのは三人だけ』が本当だという設定。
コカ・コーラに迫った危機をちょっと変わった特技を持ったニュージーランドの中学生・フィザーが救う!
というお話。
フィザーの特技は他人と比べて、五感が鋭いこと。
目も耳もいいのですが、特筆すべきはあらすじにもあるその味覚です。
普通の人でも、コカコーラとペプシ、普通のコーラとダイエットコークの違いならわかる人もいるでしょう。
けれどフィザーはそのコーラが缶なのかペットボトルなのか、さらには容器が500ミリなのか1.5リットルなのかなんてこともわかってしまうのです!
それと時を同じくして(?)、コカ・コーラ3(原液の作り方を知る3人のこと)が誘拐されてしまうのです。
3人が見つからないまま、在庫を使い果たしてしまえばコカ・コーラの味が変わり別物になってしまいます。
コカ・コーラの危機を救うため、友人のツパイとアメリカにまで赴きレシピ解明を行おうとするのですが……。
児童向けコーナーにあった本ということもあり友情やら冒険やらが楽しい1冊でした。
ブサイクブラザーズから逃げてる所なんて、ハラハラワクワクしながら読み進めていました。
ぶっちゃけると、棒術の師匠であるデニス先生は正直、チートかってぐらいのスペックなのでちょっとご都合主義っぽい気もしないでもないのですが、まあこれくらいは許容範囲内でしょう。
この手の物語では時として勇気と無謀をはき違えてしまうことが多々あります。
明確な勝算もなく、自分たちなら大丈夫と無茶をしてしまうんです。
ですが、この作品の2人は、お互いに自分に出来ることをわかっていて協力しあっていて。
きちんとした勇気を奮えるのはいいな、と。
訳者あとがきによるとどうやらこの作品、シリーズとなっていて本国では4作ぐらい出ているよう。
というか訳者の三辺さんの書きっぷりでは、この本がシリーズ3作目なんじゃないかな?
期待してちょっと調べてみたんですが、この本しかひっかからないんですよね。
どうも日本語訳が出てるのはこの作品だけみたいです。
うーん、この本の出版が2010年のこと。
続きが出る可能性は少なそうだけど、作中で「また別の物語になる」と書かれていたヘンリーとフリーの物語も、ラストで仄めかされたワイトモ洞窟の話も読んでみたかったなぁ。
[10回]
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