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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】畠中 恵」の記事一覧

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あしたの華姫

あしたの華姫/畠中恵
お江戸の謎は、"まことの華姫"がお見通し!
芸人月草が操るのは"真実を見通す"人形お華。
跡目争いに揺れる両国の未来は彼らに託された!?

キュートで毒舌な姫様人形が事件を解決!
大人気シリーズ第2弾

一人二役、二人で一人の迷コンビが帰ってきた!
百万の人々が暮らす江戸でも随一の盛り場、両国。
その地回りの親分山越に息子がいたと発覚し、にわかに跡目争いが持ち上がった。娘のお夏も、頭の座を狙う陰謀に巻き込まれ……。
お夏を守るよう命じられたヘタレの芸人月草が、"まこと"を見通す姫様人形お華と、西へ東へ駆けまわる!


図書館で借りてきました。
畠山さんの本読むのかなり久しぶりな気がします。


【お華の看病】
【二人目の息子】
【お夏危うし】
【かぐや姫の物語】
【悪人月草】

が収録されています。
雑誌に掲載されていたこともあり、基本的には短編連作なんですが、今回は全編通して跡目争いネタ。
順に読まないとわからないかと思います。


前作を読んだのいつだっけ?と思ったら、2017年だったんですね。
そりゃ、内容あんまり覚えてない訳です。
さすがに、華姫のインパクトあったので覚えてましたが(笑)

山越親分は、先に奥方と上の娘をなくし、残った娘・お夏を溺愛していました。
上の娘・おそのが婿をとっていればまた話は違っていたのでしょうが、その前に命を落としてしまいました。
けれど、お夏はまだ13歳。いくら江戸は結婚が早いといってもまだ幼すぎます。

とはいえ、親分はまだ男盛りでまだまだ先は安泰だと思っていたらさあ大変。
親分が病を得てしまったから、やにわに後継者争いがはじまってしまうのです。

様々な思惑が絡まるなか、お夏を守るため、華姫(と月草)が奔走するわけになるのです。
今回は、華姫の口を借りつつも月草がメインで動いている印象を受けました。

この作品における華姫はどこまでも木偶人形でありながらも、きちんとひとりのキャラクターとして描かれているんですね。
だから、どこまでが華姫で月草なのか読んでいてわからなくなるんですよね。

そして今回めちゃくちゃ重要な役割を果たした"お華追い"たち。
いつの間にやら、華姫の持つ力が増していて、今後いやでも重要な立ち位置を担うことになってしまうのでは?なんて考えてしまいました。

続きが楽しみですね。

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まことの華姫

まことの華姫/畠中恵
真実(まこと)を引き受ける覚悟はあるか――
姉を殺したのは実の父かもしれないと疑う、地回りの親分山越の娘、お夏。
ある事件で身を損ね、人形師から芸人に転じた過去をもつ月草。
やむにやまれぬ想いを抱え、客は今日もまことを求めてお華に会いにやって来る。
でも真実は、知ってしまえば後戻りできない怖さもはらんでいて……
たくみな謎解きと軽妙な掛け合いで江戸市井の悲喜こもごもを描き出す筆者の新境地!

ヒロインは、姫様人形――!?
ちょっぴりヘタレの芸人月草が操るのは、外見と愛想はめっぽうよいが口は悪い姫様人形のお華。
今宵も江戸両国の見世物小屋では、お華が真実を語ると、もっぱらの評判だ。

洒脱な人形語りで江戸の事件を快刀乱麻!
推理、人情、笑いあり。
新たな畠中ワールド、開幕!


図書館で借りてきました。
畠中さんの作品は色々読みたいけど読んでない本あるんですけど新刊コーナーにあったのでつい……。


【序】
【まことの華姫】
【十人いた】
【両国からの客】
【夢買い】
【昔から来た死】
【終】

が収録されています。

以前、特高いお坊さんが掘った「真の井戸」があったんだとか。
問えば真実の答えが返ってきたその井戸から出てきた玉がお華の両目には使われていて、それゆえにお華は真実を見通す"まことの華姫"と呼ばれているんです。

そんな姫様人形のお華と、人形を操る芸人(腹話術師)月草、地回りの親分の娘・お夏ちゃんがメインキャラクター。

人形が探偵?役ということで一番最初に連想したのは安孫子武丸さんの人形シリーズでした。
大昔に一度読んだっきりだったんですが、人形が探偵という設定の奇抜さだけは覚えていました。

なんというか、畠中作品は時代物としてはかなり読みやすいのですが、今回は普段より輪をかけて読みやすくてびっくりしてしまいました。
3時間弱で読み切りました。本文の上部に不自然なくらいな空白があるのでもしかしたら文字数自体も少ないのかもしれませんね。

【序】【終】はお夏ちゃんの視点で語られているんですが、ものすごく幼い印象を受けます。
お夏ちゃんは13歳ということで、13歳の女の子って結構大人なイメージだし本編でも多少幼い気はしましたが、そこまで幼い印象は受けなかったのでちょっと違和感がありました。
でもこの時代って数え年でしょうし、12歳ならワンチャンありかな?

畠中作品ということで、華姫は実は本当に……って可能性もあるのでは?なんて思っていたのですが、そういう訳ではなさそう。
でもそうすると、「まこととなった」華姫の言葉は一体何だったのかな、と。
【十人いた】なんかはともかく、【両国からの客】の言葉は月草が言ってるにしてはちょっと腑に落ちないんですよね。
うーん。続編でその辺に触れてもらえるといいな。

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つくもがみ、遊ぼうよ

つくもがみ、遊ぼうよ/畠中恵
勝負に勝たないと、双六のマスに閉じこめられちゃう――!?
障子に映る不吉な影、賊出没の真相、願いを叶えてくれると噂の稲荷……
やんちゃな子供達と個性豊かなつくもがみが、次々と起こる謎や怪異に挑む!
ほっこり愉快なお江戸妖怪ファンタジー

われは器物が百年の時を経て妖と化した、付喪神である――
江戸は深川、僅かな賃料と引き替えに、何でも貸し出す損料屋「出雲屋」には、つくもがみという妖怪と貸した古道具たちがたくさん! 威張りんぼうで、そのくせ友情にあつく、噂話にお茶や焼き芋、いたずらが大好き――主夫婦・お紅と清次のひとり息子十夜と幼なじみの子供らは、つくもがみたちと様々な大騒動を繰り広げ、健やかに成長していく――。


図書館で借りてきました。
いつ買ったんだろう、これ。

【序】
【つくもがみ、遊ぼうよ】
【つくもがみ、探します】
【つくもがみ、叶えます】
【つくもがみ、家出します】
【つくもがみ、がんばるぞ】
【終】

が収録されています。
以前、紹介した畠中さんの作品「つくもがみ貸します」の続編に当たりますね。
ただ続編とはいいつつも、帯の文でもわかるんですが、主人公は清次とお紅の子どもです。
作中時間軸としては「貸します」から十年近くたってると思っていいようです。

私、この作品と畠中さんのエッセイである「つくも神さん、お茶ください 」を同一視していたようで。 この作品が出ていたことすら知りませんでした。
今回図書館で見つけたときも「なんでエッセイが小説の棚にあるんだよーまた職員さん間違えたな」程度にしか思ってなかったんです。
地元の図書館は臨職の方が回っているのかわかりませんが、よく人が変わるんです。
でその度に適当に戻していたりするのをこっそりなおしていたので、今回もそうだと思ったんですね。
で、エッセイって読んだことないけどどうなんだろう?と思って手にとって帯をみたら「これ続編じゃん!」となったわけです。
タイトルはなんとなく似てるけど何で気づかなかったんだろう?


「貸します」で登場したつくもがみたちはたぶん、全部でているのかな?
明らかに新顔なのは、双六のつくもがみであるそう六でしょうか。
そう六の宿る双六で遊びながら、様々な問題を十夜、市助、紅一点のこゆりの三人の子供たちとつくもがみたちが協力しながら解決していきます。

しゃばけでもそうなんだけど、つくもがみたちはやっぱり人ならざる存在なので、考え方だとかが違うんですよね。
人なら相手の気持ちを慮って黙っているであろうことも自分達に有利に働くと思ったら告げてしまったりするのです。

「十夜、運はな、鏡と共にあることが多いのだ。われらは長生き故、よく知っておる」
「鏡?」
「己の為した事が、鏡に跳ね返って己の身に戻ってくる。そういうことだ」(p277)

普段は子供っぽいわがままを告げるようなつくもがみたちも、こういうところをみると長い年月を経た存在であるとわかりますね。

清次とお紅が結ばれて、お店を大きくしていったりした空白の10年が気になりますが、そこについてはこれからも語られることはないんでしょうね。

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