0能者ミナト 9/葉山透
葉山透が贈る現代の伝奇譚
怪異を知る者でもにわかには信じがたい、神話上の存在。だが、それはいた。
身長2000メートル、超弩級の怪異。ダイダラボッチの出現は終末すら予感させるものだった。そのひと足で町が壊滅する。動く天災に国家機関も動きだす。
防衛庁幹部、官僚らが居並ぶ席に、ラフな青年がひとり。場違いな雰囲気をこれ見よがしに発散する湊である。だが、湊の驚くべき発案に、周囲の目は変わる。それは神話を現代物理学で解明する、神への挑戦とも言えるものだった。
ちょっと前に購入していた作品です。
なんだかんだで読むのに2日もかかってしまいました。
【第1話 巨】
【第2話 単】
【閑話 外】
が収録されています。
今回は奇数巻ではありますが、長編作品です。
前巻で予告されていた神話の生物が登場しています。
前巻の感想を書く時に、私はヤマタノオロチかなーと思っていたのですが、もっとすごいのきましたね。
今回湊たちが相手取るのはダイダラボッチでした。
デイダラボッチとも言われますね。
有名どころではもののけ姫のあれでしょうか。
正直、めちゃくちゃ大きな存在であるってことがわかっていればいいんじゃないかと思います。
正直、今の時期でそれをやってくるって進撃となんかあるのか……なんて思ってしまいました。
私、進撃みたことないんですけどね(爆)
物語の序盤で、40メートル級のダイダラボッチが登場した時点でも大きいなぁと思っていたものですが、それが2000メートル級になってしまうともう想像もつきません。
そのサイズのダイダラボッチにとって人間なんてアリ以下の存在でしかなく、ユウキくんの攻撃でさえかすり傷にもなりはしないってのには絶望的かと思われました。
けど、それを科学的に説明つけて退治してしまうんですからミナトはすごいですよね。
正直、途中から「あれこれってSF小説だっけ?」って思いながら読んでいました。
シュレディンガーの猫の話は概要こそ知っていましたが、そういうことだったのかと。
ここまで説明しているのははじめて出会いました。
沙耶がダイダラボッチを自然災害に例えたのは、言い得て妙だな、と。
ここまですごいと人間がどうこうするようなものではないでしょうから。
今回、湊は総本山も御影神道も手玉にとりました。
湊のおかげで、日本は救われたわけですが、組織には組織の面子やらがあります。
だから、次の仕事の紹介は(表向きは)ないようです。
まあ、湊は上手く仕事をかすめ取っていったようです。
いつもは、ちょっとしたキーワードぐらいは明かされるんですが、今回はなし。
次はどんな話になるのか楽しみです。
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