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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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カゲロウデイズ 5 - the deceiving -

カゲロウデイズ 5 - the deceiving -/じん(自然の敵P)
 とある夏の日に少年少女たちは出会った。それは、いつまでも終わらない、長い長い夏の一日だった。
 不思議な能力のせいで、幼いにもかかわらず辛い思いをしてきたカノ・キド・セトの三人は、孤児院を出て、元気な少女アヤノが暮らす楯山家に引き取られることに。新たな生活への 期待を抱く三人だったが、早くも不穏な動きが……。
 ネットに投稿された楽曲の関連動画再生数が2500万を超える大人気マルチクリエイターによる「カゲロウプロジェクト」ノベライズ第五弾、ついに登場!
 少年少女よ、その『目』を開け!


しばらく前に購入していたんですけど、ようやく読み終わりました。
読み始めるまでが長いのをどうにかしたいです。


今回の章タイトルはだいたい【夜咄ディセイブ】
あとは繋ぎとして【或る日の屋上にて】【或る日の路上にて】【今日という日の路上にて】もあります。

【夜咄ディセイブ】ということで今回の主人公はカノ。
色々暗躍してるっぽかった彼がメインの話になります。

3巻のヒビヤとヒヨリ登場時にも思ったことなんですが、子供っぽくなさすぎて違和感が半端なかったです。
それでもヒビヤとヒヨリに関しては小5くらい?だからまだ大人びてるとかませてるとかそういう表現でまあいいかな、と思っていたんです。

でも、今回語られる幼少期のカノはちょっとなぁ、と。
【夜咄ディセイブ】の歌詞に「10年は立ちそうなある日怪物の声がして」とあるんです。
怪物=カゲロウデイズですから、10年ほど前にカノは能力を手に入れたということ。
能力を手に入れてしばらくしてから楯山家に引き取られてるんですが、その時点で5歳だってこと考ると無理があるなぁ、と。

いくら周りが子供でいることを許してあげなかった、大人にならざるを得なかったとしてもここまで大人ではないと思うんですよね。
ぶっちゃけ、この作品って物語としてはおもしろいけど、小説としてみると実は結構微妙なのでその辺は仕方ないかな、と。
まあ、アマチュアとしては問題ないと思いますが。


正直【夜咄ディセイブ】というより【アヤノの幸福理論】のカノ視点という印象が強かったです。
作中で【想像(空想?)フォレスト】のマリーとセトが出会っているであろう描写、2巻のヘッドフォンアクター挑戦云々にも触れられているんですがまあその辺はぶっちゃけどうでもいいんですよ。

どうやらカノは唯一、アヤノから「カゲロウデイズ」についてある程度、話を聞いていたもよう。
もっとも、「カゲロウデイズ」って名前はキドがつけた名前ですからこの時は『向こうの世界』って表現されてますが。


なんというか、これシンタローが引きこもるのもわかるわーと思ってしまいました。
アヤノの姿をしたカノによる一言

「全部お前のせいだ。何も気づかなかった、お前の」(p165)

があるんですが、これ前後の状況を考えるとかなりきつい。

その時は意味が分からなかったでしょう。
でも、カノはアヤノの死体として写真を撮られた(=現場検証後)と描写されてるんです。
いくらシンタローがボッチ気味だったとしても学校に行ったらそういったことは噂され、いつ死んだかだとかはシンタローの耳にも入るでしょう。

いくら身内に目に関する能力者がいるとはいえ、モモの能力は『目を奪う』です。
ただただ注目されるという能力ですから他に能力者がいたとは考えないでしょう。
そうなると、シンタローはこの時出会ったアヤノは死者である=自分へ恨みを告げるために現れたと判断すると思うんですよ。

しかも、遥と貴音がコノハとエネとなったということはカゲロウデイズに干渉できたということ。
カゲロウデイズへの接触条件は「8月15日に2人以上で死ぬこと」でしたか。
つまりは3人とも前後こそしてるけど同じ年の同じ日に死亡したということ。

【夕景イエスタデイ】のMVや5巻冒頭なんかを見ると4人で仲良くしていたのは明白です。
1人生き残ったシンタローは絶対奇異な目で見られたと思うんですよ。
もともとメンタルのあまり強くないシンタローが受ける仕打ちとしては相当辛いと思います。

何巻だったか忘れましたが、カノがシンタローへした性質の悪い悪戯もこの辺が絡んだ八つ当たりってことだったのかな。


今回、敵と目されていた『冴える蛇』がアヤノの父・ケンジロウに憑りついていることが明かされています。
ケンジロウはアヤノの実父で、カノ・キド・セトの養父、遥と貴音の元担任で、現モモの担任。
さらにヒヨリは、ケンジロウの妻・アヤカの妹です。
本当に中心に位置してるんだなぁ。

そして、今までエネとしてAIみたくなってたエネが自分の体に戻っています。
【人造エネミー】だったかな? ホルマリン漬け云々とあったし、2巻で自分の体を見るという描写があったから体は残っているのであろうことは検討がついてましたし、【サマータイムレコード】のMVでも貴音と遥で存在してたから最終的に元に戻るのはわかってました。
でも、こんなあっさり戻っていいの?と。
(2年間動いてなかったら筋力落ちてまともに動けないはずとかそういうツッコミはしちゃダメですね)

情報開示をしそうな雰囲気ですし、次巻は「カゲロウデイズ攻略作戦」になってもおかしくはないんですが、まあそうはならないですよね!
いまだメインで語られていないキャラとか多いですし。

次巻はあまり間をおかずに発売するみたいなことが、あとがきにあるので楽しみに待ちたいと思います。

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