レンズと悪魔 8 魔神変光/六塚光
己の願いを懸けて戦う《八眼争覇(ディアボリックパーティ)》。その戦いはいまは、エルバたちの同盟によって膠着状態にあった。しかし、ブルティーエールで発生したある殺人事件が、エルバたちを戦いへと引き戻す。事件の調査に当たっていた彼らの前に現れたのは、かつて打ち破ったはずの参加者、クルト・キングスリーだった。そして、エルバの前にもう一人、男が現れる。
彼を、真の宿命へと導く男が――。さらなる混沌が激闘を喚ぶ! シリーズ第8幕!!
今巻は読んでいて思わず叫んでしまいました。
結構衝撃的でした。
6巻で<獄炎の魔神>ネア・ネアの契約者バルビーヨを倒したことにより、残る八眼争覇参加者は4組だったんです。
<氷結の魔神>ルナ・ルガとエルバ。
<無形の魔神>ボル・ボルとテッキ。
<電光の魔神>マロ・マロとカエデ。
<闇照の魔神>ヤミ・ヤタと未だ姿を現さない契約者。
そのうち3組が手を組んでいるのですから、最後の契約者が中々登場しないことも頷けますよね。
今回は、過去にエルバたちが倒してきた敵が多く登場します。
1巻でエルバを父・チェビアトと勘違いして襲ってきたゴロツキから、<幻影の魔神>ベル・ベムの元契約者クルト。
さらには博物館を危機に陥れた税騎士の一人であるランコ・スーパーフォークなんかも再登場しています。
博物館メンバーに直接恨みがあるわけじゃないんでしょうが、フィールディングも復活しています。
死んだはずのフィールディングの妹・ヘンリエッタまでも登場してはじめわけがわからなかったです。
ゴロツキはともかく、クルトとランコ、そしてフィールディングの背後に存在する元八眼争覇勝者であるジーニー・セブンデイ・ルンホルムが気になります。
彼女は魔神に対抗して、『鬼神』なるものを作成しているんです。
それを実験をかねてなんでしょうが、クルトたちに鬼神のレンズを与えているんですよね。
復讐を目的としたフィールディングさんが怖いです。
いい人だっただけに余計怖い。
そして、1番びっくりしたこと。
アベル・ブルーダーと名乗る主人公Tシャツをきた男が登場するんです。
この男、戦いなれていてエルバを助けたりするわけなんですが、この男の正体はなんとサクラの兄シロー・イシザワだったんです。
いや、それだけで終わるんだったら良かったんですよ。
サクラはずっと兄を探していたわけですし、エイジが死んで沈んでいたサクラにとってはとてもうれしいことだったでしょうからね。
シローとテッキが顔を合わせた途端、テッキは激昂するんです。
テッキが右手に万力をはめる原因となったのは前回の八眼争覇で右手を切り落とさねば炎にまかれて死んでしまう状況に追い込まれたから。
その状況を作り出したのは、ヤミ・ヤタの契約者で、それはエルバの目の前で父・チェビエトを殺した仇でもあるわけです。
そして、シローは前回も今回もヤミ・ヤタの契約者として八眼争覇に参加していたのです。
殺してしまいたいほど憎む敵は、大事な仲間であるサクラがずっと探していた兄であった、と。
……魔王・ブラナは試練を与えるみたいな話がありましたけど、これはきつい。
テッキは風邪で倒れてしまい、サクラはシローに連れ去られ、セブンデイ率いる『セブンデイズ・デモニアクス』の相手をしなければならないんですよね。
さらに、シローがエルバの腹違いの兄であるらしいことも判明して混乱しているところに、シローと接触したことによってエルバが何度も見ていた悪夢に変化があるんです。
今まで、チェビエトが死にいくさまをただ見ているだけだったものが、音声が聞こえるようになったんです。
それによると、ルナがチェビアトの頼みでエルバの記憶をいじったらしい、と。
不自然なまでに記憶に残っていない母親の記憶だとかが関係しているらしい、と。
めちゃくちゃ続きが気になります。
はやいうちに読んでしまいたいんですが、きっと続きを紹介するのは来月なんだろうなぁ。
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