小旋風の夢絃/小島環
春秋後期、中国。
十五歳の少年・小旋風は、みずみずしい少女の骸がひとつだけ持っていた陪葬品を発見する。
「俺は生き抜いてみせる、彼女の琴を伝説にして!」
春秋後期の衛国。小柄な十五歳の少年・小旋風は、盗掘の最中、生きているようにしか見えない、数百年前の少女の亡骸を発見する。彼女は伝説の楽器と思われる、華麗な琴とともにあった。その直後、落盤事故が――。小旋風は自分の唯一の武器である言葉を使って琴を売り、大金を手に入れようと決意する。
タイトルの「小旋風」はつむじかぜですが、主人公の「小旋風」はしょうせんぷうとルビがふられています。
はじめてみる方だと思ったらデビュー作のようです。
図書館で借りた作品なんですが、一度目の貸出期間じゃ読み切れなくて借りなおしました(笑)
私にしては珍しく読み終わるのに2週間近くかかってしまいました。
物語はあらすじの通り小旋風が、少女の墓から琴を見つけることからはじまります。
その琴がすばらしいものであることを知った小旋風は、その琴を高く売って盗掘稼業から足を洗おうと考えます。
そこから骨董品の収集家や琴好きの人物の元などを尋ねまわるうちに大きな出来事に巻き込まれていくわけです。
正直、前半を読むのがつらかったです。
後半ラスト3分の1ぐらいまでいくと、勢いが増していたこともあり一気にグイグイ読めたのですが、前半がつらい。
主人公である小旋風にもヒロイン?であろう涓涓(ケンケン・琴奏者)にも魅力を感じないんですね。
二人が協力関係になってからはだいぶマシになりましたが、それ以前がちょっと。
古代中国が舞台ということもあり、登場人物たちの名前や読みが特殊なんです。
道具なんかでもよくわからないものが多かったのもきつかったです。
正直、中国語や中国の文化にあまりなじみがないので読み方を覚えきれないまま読み終わってしまいました。
なんとなく残念な感じ。
読み始める前にブクログで評価を確認してしまったのもいけなかったのかな、と。
結構評価が良かったので期待値があがってしまったんです。
私が、だらだらとちょっとずつ読んでしまったのもいけないんですけどね。
疲れていたってこともありますが、一気に読めるだけのひきこまれるものが前半にないことが非常に残念でした。
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