片桐酒店の副業/徳永圭
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冴えない酒店の片手間仕事のはずが、最近、ワケあり注文が多い。「アイドルに贈り物を手渡しして欲しい」「上司に悪意を」などの難題に直面する無愛想な若き二代目店主、片桐章。
彼もまた胸の置くに大きな遺失物を抱えていた……。
ボイルドエッグ新人賞作家が放つ可笑しく、ほろ苦く、心温まる感動長編
図書館で借りてきました。
はじめて読む作家さんですね。
【プロローグ】
【第一章 短期バイトの憂鬱】
【第二章 電車のような宇宙船のような何か】
【第三章 悪意】
【第四章 海と傷跡】
【第五章 朝の訪問者】
【エピローグ】
が収録されています。
帯には長編とあるんですが、実質連作短編ですね。
はじめ、バイトの彼が主人公(というか語り部)だと思っていたので二章で登場しなくてちょっと驚いてしまいました。
位置づけ的には準レギュラーみたいなもんなんでしょうね。
正直な感想としては、あんまり面白くないな、でした。
ぶっちゃけ冒頭で「あ、これは合わない」と思ったんですが、たいして長い話でもないし……(300ページないソフトカバー本です)と一応全部読みました。
中には中盤からグイグイ惹きこまれる作品とかもありますからね。
でもこの作品はそれがないので最後まで義務感で読み進めました。
設定はおもしろいと思います。
酒店のちょっとしたサービスである配達業に、色々と困った依頼が持ち込まれる。
それをどうやって届けるのかってのもそうだし、それに対する周りの反応とか、
そういうのも含めて描き方次第で何倍にも面白くなりそう設定だと思います。
それだけにものすごくもったいない。
もういっそのこと、バイトの丸山じゃない丸川くんを主人公に据えてドタバタコメディにした方が受けたと思いました。
コメディなんだけどほろりと来る作品って結構あるし、個人的にはそっちの目指してほしかったです。
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