首挽村(くびきむら)の殺人/大村友貴美(ゆきみ)
「ますます事件は奇怪だ。尋常でないね」
岩手県の雪深い村・鷲尻村。無医村の状態が続いていたこの村に、東京から待望の医師・滝本志門がやってきた。しかし、滝本の着任以後、村では謎の変死が立て続けに起こる。それ は、殺害後の遺体を異様な形で人目に触れさせるという、前代未聞の連続猟奇殺人事件だった。
この村が「首挽村(くびきむら)」という不吉な名前で呼ばれる理由とは? 村人すら忘れかけていた忌まわしい過去が、事件の真相を浮かび上がらせる――。
横溝正史ファン必読!
横溝世界を見事に現代に甦らせた本格推理小説の誕生!
たまたま「いかにも」って感じのタイトルが目についたので図書館から借りてきました。
少しずつ読んでいたんですが、読むのに3、4日かかってしまいました。
物語はあらすじにもある通り、東北の寒村が舞台。
雪に閉ざされた村の中で不可思議な事件が連続して起き、時を同じくして赤熊なる巨大な熊が人里に出没して右往左往しながら事件を解決していく様が描かれています。
この作品は第27回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作なんだとか。
それに加筆訂正して改題したものらしいです。
つまりは、デビュー作なんですよね。
そのためなのか、途中途中で単調な印象を受けて「うん?」ってなってしまうところがありました。
面白いか面白くないかで判断するとぶっちゃけ微妙。
なんとなく、いかにして猟奇的な殺人をおかすかに重点を置いているかのように感じてしまいました。
動機だとかそういうものは二の次というそんな印象。
読み終わった感想としては主人公は誰だったのかな?でした。
はじめはあらすじにも登場している志門先生が主人公なんだろうと思って読み始めたんです。
実際初期は志門先生視点が多かったですし。
けどいつの間にか視点は彩や藤田刑事のものが多くなり、最後には志門先生は退場してしまうわけですし……。
うーん?
私が横溝風のミステリをほとんど読まないからわからないだけなのかもしれませんが、横溝ミステリだとこれは普通なのかな?
その辺はちょっとわかりませんね。
赤熊の説明を読んでいて、だから
銀牙の熊は「赤カブト」だったんだなーなんてどうで もいいところに関心してしまいました。
(このシリーズはウィードの途中までしか読んでませんが、我が家にオリオン最新刊まであるのでいつか紹介したいなぁとは思ってます)
事件自体は解決しますが、この村の今後は暗いんだろうなぁ、と。
無医村状態を解消するためにやってきた医者が2人続けて死んでしまい、赤熊にいたってはその後は不明です。
こんな村に進んでやってこようとする医者が本当に変わり者としか思えません。
作中で誰かがいってましたけど、医者を公務員化して云々でもしないと厳しそうだな、なんて思ってしまいました。
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