花咲一丁目の刑事/小路幸也
商店街のよろず相談、引き受けてます。
(いつのまにか)
非番の刑事も忙しい。
たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる花咲小路商店街。
今回の主人公は「和食処あかさか」を営む祖父母のもとに居候中の若手刑事。
死んだはずのおじいさんから手紙が届くようになったラーメン屋さん一家や、本の上にフルーツがひとつずつ置かれるようになった本屋さんからの相談など、非番の日になると必ず相談ごとを持ちかけられるようになってしまう。
図書館で借りてきました。
以前紹介した
四丁目の聖人の続編というかシリーズになります。
【プロローグ】
【<花咲小路>の猫騒動】
【<花咲小路>の天国からの手紙騒動】
【<花咲小路>のテイラーメイド騒動】
【<花咲小路>の檸檬騒動】
【<花咲小路>の<あかさか>での騒動】
が収録されています。
短編連作といいますか、非番の度に持ち込まれる騒動について解消していくことになります。
いわゆるコージーミステリーになるのかな?
ほとんど事件らしい事件は起きてません。
日常の中にある「ちょっと不思議」な出来事が非番の淳ちゃんの元に持ち込まれるといった体をとられています。
この作品はポプラ社から出版されているからってこともあるかもしれませんが、語り口はかなりライトです。
あまりにもライトすぎて、今回の語り手である淳ちゃんは刑事のはずなのにこんなのほほんとしていていいんだろうかというほどでした(笑)
この作品の時間軸はシリーズ前作から1年程後のことらしいです。
だから、前作では矢車亜矢だったのが白銀亜矢になってたり、若夫婦がが聖人さんの隣の部屋に新居を構えていたりと微妙なところで変化はみられます。
でも基本は前から変わってませんね。
そして北斗くんは相変わらず万能というか、使いやすいキャラ設定です(笑)
おもしろかったです。
謎の女性・ミケさんこと三家(みつや)あきらさんと徐々に近づいてく感じ微妙な距離感なんかもよかったですし。
前作の克己くんがグイグイいく感じだったので余計そう思ったのかもしれません。
読んでいてちょっとあれ?って思ったことがあるんです。
商店街の駐在所に勤務する警察官が2人いるんです。名前は角倉さんと三太さん。
……三太さんって作者のデビュー作「
空を見上げる古い歌を口ずさむ」にも出てたよな、六角交番のおまわりさんだよな、と思って「空を見上げる~」をひっぱりだしました。
調べてみたら確かに三太さんはおまわりさんとして登場してました。
が、フルネームは「シラハタ三太」さん。
名字だったらもしかして血縁者……なんてこと考えてしまいましたが、そういうことではなかったようです。
ちょっとテンションあがってしまったのが恥ずかしい(笑)
このシリーズはまだ続くのかな?
次はどんな人にスポットが当たるのか楽しみです。
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