少年陰陽師 嘆 きの雨を薙ぎ払え/結城光流
時は平安。「出雲の覇権を取り戻す」――九流一族の悲願が蘇らせた荒魂。昌浩の必死な気持ちが通じ、比古は、荒魂を還す方法を探そうと、真鉄たちのもとへ戻った。が、兄 弟同然に育ったもゆらの、信じがたい姿を目にした比古の心に、決定的な変化が起きる――!“贄”として九流側に囚われてしまった彰子にも危機が迫るが、そんな事情を知る由もない昌浩 は――!?
予想しえない大きな運命のうねりが昌浩を襲う! 珂神編第四弾!!
本当は篠田真由美さんの作品でも読もうかと思ったのです。
次が5巻目ってことはが、原罪の庭かーとか思いつつ、読み始めたのですが、ほとんど読み進められないうちに寝落ち。
起きたら夕方で、それから読めるものはほとんどなく。なので今日もてラノベです。
このところ少女向けのラノベは少年陰陽師ばっかですね。
まあ、まだ読んでいない少女向けラノベは少年陰陽師とまるマしかないんで仕方ないんですが。
さて、本編の感想を。
前巻、彰子と別れたもゆらが変わり果てた姿で発見されたところで終ったのかな?
もゆらの生を奪ったのは勾陳の筆架叉で――。
となんとも気になるところで終っていたはず。
今巻はその続きから始まってます。
比古の変わりようは本当にびっくり。
比古って確かに敵ではあったんですが、可愛らしい少年でもあったんですよ。もゆらと一緒にいた時なんかは特に。
それを思うと、もゆらの亡骸の扱いなんかは本当に悪くて、たゆらが狼狽するのもわかるというものです。
えっと、九流の長である“珂神比古”というのは大蛇の魂を宿すためのもので、大蛇の復活とともにあの優しい少年の意識はなくなってしまうってことらしいです。
もゆらを手にかけた人物を知りたいがためにかろうじて意識が残っている程度。
昌浩と「荒魂を還す方法を探す」と約束した少年はもういないのかー、と物悲しい気分になりました。
勾陳と紅蓮のやりとりが好きです。
勾陳に口で敵わないからともっくんから紅蓮に戻って実力行使に出るわけです。
その後の報復を考えてないあたりは甘いなぁ…とか思いましたが。
勾陳が怒ったらきっと怖いんだろうな。
たゆらがもゆらの行動を予測して「ああやっぱり」とやるシーンがあるんです。
もゆらの魂がたゆらにくっついてきていて……ってところなんですが、読んでいてちょっと泣きそうになってしまいました。
今まで、真鉄と行動を共にしていて昌浩や神将たちを攻撃していて可愛いというには弊害があったたゆら。
でも今巻は、そういうシーンがないし、兄としての心情だとかが描かれていてたゆらもまた可愛かったんだな、と。
真鉄も同様ですね。
風音の体を乗っ取ったり、みんなをボロボロにしたりといろいろやってたんですが、今巻はそれがないし、過去のことを思い出したりしてるんです。
それがとても平和であるがゆえに、今のとの落差が半端なくて……。
最後、昌浩と彰子が再会します。
今まで昌浩が術を人に向けることはありませんでした。足元に向かって、くらいが限界でしたか。
今回彰子を助けるために、珂神比古に術を向けたってことはそれだけ彰子が大事なんだなぁ。
ラスト、舞台は都に戻り成親兄上と雑鬼たちの会話で終了。
なんとも中途半端な終り方で思わず間違って2ページめくってしまったのか、と確かめてしまったほどです。
成親のセリフによると、彰子は都で寝込んでいるってことみたいですね。
それじゃあ、出雲にいる彰子はいったい?って感じ。
次巻も楽しみです。
[0回]
COMMENT