そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート/はやみねかおる
夏休みの遊園地。衆人環視の中で、“伯爵”と名乗る怪人が、天才児4人を次々と消してみせた。亜衣たち岩崎家の隣人で自称名探偵、夢水清志郎が颯爽と登場!と思いきや「謎はわかった」と言ったまま、清志郎はなぜか謎解きをやめてしまう……。年少読者に大人気、誰もが幸せになれる噂の本格ミステリ、文庫化!!
昨日の言ったとおり、今日は児童書。
児童書読みたいな、といったもののそんなにたくさん持ってないんですよね。
せいぜいがあさのあつこさん、はやみねかおるさん、香月日輪さんくらい。
そういやはやみねさんの作品読んでないな、と思ったので今日はこれにしました。
もともとは児童向けの青い鳥文庫から発行されていた作品なので非常に読みやすいです。
そしてすごくドキドキワクワクできる作品でもあります。
NHKで(多分)夕方にやっていた『双子探偵』の原作でもあります。
もう10年以上前の話になるのでわかる人がどれくらいいるのか疑問ですが。
えっとマナカナと和泉元彌が出ていたドラマ。ズッコケ三人組と交互にやっていたような記憶がうっすらとあります。
そのかなりあやふやな記憶でも原作とかなり違った印象だったと思います。
教授がビルっぽいところに住んでたし、糸電話のかわりに神社の鈴だったし、双子の両親が離婚したのか片方が大阪に住んでいたっぽいし、お父さんが大阪人なのか納豆が食べれないみたいで「よく納豆なんて食べれるな」といった内容の言葉を双子の片方に言う描写があった気がします。
事件の内容はさっぱり覚えていないのですが、そういうところだけは覚えているんですよね。
さて、そろそろ本編についての感想を。
亜衣、真衣、美衣の三つ子と教授が出会うところからはじまります。
はやみねさんの作品はOPというかプロローグというかそこに小さな謎があって、その謎の応用が本編にて描かれることが多いのですが今回もそう。
ただ、それを一読目には気づかせないほど自然なので、ああそういうことだったのか、と謎解きのときに気づかされます。
そういうのがあるからワクワクさせられるんだろうな。
教授が謎解きをしない理由というのがとても優しいです。
普通の推理モノって事件が起きて、警察や探偵がやってきて事件を解決しておわり、ってかたちじゃないですか。
そういう推理モノを否定するわけじゃないですが、すべての謎を明らかにしてしまうことは、けして幸せなだけじゃすまないんですよね。
教授は「みんなが幸せになる」謎解きをするので、読後感もとてもいいです。
1巻なだけあって主要キャラがまだ出揃っていないんですが、次巻で登場するレーチが大好きです。
このシリーズ自体は完結しているのですが、途中から近所の図書館においてないので読めてなかったりします。
レーチのがんばりがむくわれていてほしいのですけど、どうなっているんでしょう。
文庫の発売を気長に待ちたいと思います。
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