都会のトム&ソーヤ 2 乱!RUN!ラン!/はやみねかおる
廃ビルの砦にこもって、究極のゲーム作りをめざす創也は、ライバルの天才ゲーム作家に会うため、手がかりを追ってデパートへ。
しかし、そこで待っていたものは……。
サバイバルの天才、内人を相棒に、都会の中で、新たな冒険がはじまる。
実ははやみねさんの作品って2ヶ月ぶりだったんですね。そんな感じしなかったのですが。
毎度のことながら、はやみねさんの作品は同レーベルの中でも群を抜いて分厚いのですが、それでも一気に読めてしまうのですからすごいですよね。
今回の冒険の舞台は、閉店後のデパートと栗井栄太の『ゲームの館』です。
いつものごとく、3部構成です。
デパートでの冒険を描いた
『鬼ごっこ Day and Night 』。
幕間
『わたしを音楽室につれてって』。
栗井栄太の招待に応じる
『ゲームの館』の3部が収録されています。
あとがきによると、内人が堀越美晴ちゃんをデートに誘う話もあったらしいのですが、それは丸々カットされたみたいです。
その辺もはやみねさんらしいですよねー。ちなみにそれは別の巻に収録されていたはずです。
まず
『鬼ごっこ』。
竜王デパート南T店の甘栗のCMが発端です。
法則性のない通常とは違う甘栗CMの理由を探りに深夜のデパートで鬼ごっこ、というかかくれんぼを行います。
創也が侵入手段しか考えないのもいつもの通り。
脱出の術はすべて内人に任せるわけですが、それに答えられる内人もすごいです(笑)
はじめて読んだとき、創也の口から語られる雑学に内人と同じく「へえ」と。
君が代の2番には本当にびっくりです。
こういう豆知識も好きです。
『わたしを音楽室につれてって』は音楽室野球の話です。
正直、私が通っていた学校ではそういうことはやらなかったので、想像でしかないのですが、楽しそうです。
壷が割れた理由を論理的に説明する創也ですが、そのとき内人の工作したあとをこっそり消したりしてるんです。
それを内人に感謝されて照れてるというか居心地悪そうにしてる創也がかわいかったです。
『ゲームの館』にて栗井栄太作のゲーム『ルージュ・レーブ』を探す話。
正直、この話は展開を覚えていたのですが、それでも楽しめました。
栗井栄太の正体を知り、ライバルとして認識された創也。
今まで1人で頑張ってきた創也がようやく内人を仲間だ、と言葉にしたのかな?
そういうの好きだなぁ。
ちょっと気になったこと。
前巻で語っておけばよかったのですが、ふと思ったので。
郵便屋さんが砦の入り口で引っかかっていたんですよね。それってもしかして砦の入り口は小さすぎて、成長したら入れなくなるってことなのかな。
つまり、あの砦で『守る』ことが出来るのはあと数年の出来事ってことなのかな、と。
それまでに創也が飛び立てればいいんですけどね。
あと気になったのはジュリエットの設定ですよ。
ジュリアスの女装時の別人格であるジュリエット。
ジュリエットはジュリアスとはなればなれで育った双子の妹で大阪で育ったから大阪弁を操る――ってことらしいんですけど、これまんま双子探偵の真衣じゃないですか。
まあ、双子探偵の原作=夢水清志郎シリーズ=はやみねさん作ですからあんまり問題ないのかもしれませんけど。
あとはそうですね。
R・RPG(リアル・ロールプレイングゲーム)について語られたとき、私が1番最初に思い出したのは
よろず屋東海道本舗で登場するゲームでした。
結構後の方の巻だったと思うのですが、あちこち走り回って課題をクリアしていく、ってのじゃなかったかな?
確かにああいうのは楽しそうですよね。
次巻もまたどんな冒険をしてくれるのか楽しみです。
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