レンタルマギカ 魔法使い、修行中!/三田誠
<ゲーティア>の首領であり、ソロモン王の末裔として72の魔神を召喚するアディリシア。しかし彼女の使い魔フォルネウスが突然コントロールを失い、こともあろうか彼女に襲いかかる。裏切り者の手によって、彼女は一切の魔法を封じされた上、魔神はすべて敵に手に渡ってしまったのだ! そして最強の魔神アスモダイがアディリシアに牙を剥く! いつきはアディリシアを救い出せるのか!? 召喚魔法VS妖精眼(グラム・サイト)。異種魔術格闘戦第6弾!
今回収録されてる作品は以前紹介した「竜と魔法使い」のあとの話になります。
「竜」の最後で隻蓮さんに「体術を教えてください」の台詞があったため、今回は修行が中心です。
『魔法使いと赤い槍』
隻蓮さんの寺・竜蓮寺で行われるちょっとひどい修行の話。
確かにこれからもいつきが魔法に、魔法使いに関わっていくなら右眼は避けて通れないってのはわかります。
魔法が使えない、さらに見えないでは危険にも気づけないってことですからね。
隻蓮さんは優しいんだけど、厳しい人。
これが猫屋敷さんや穂波ではいつきにここまでできないでしょう。
成長にはこういう人も必要なんでしょうね。
『魔法使いとクリスマス』
クリスマスイブの話。
「女の子にはどんなプレゼントがいいか?」っていつきに聞かれた……、なんて話を聞いたら穂波たちはじっとしていられませんね(笑)
いつきはこっそり探すのが大変、ってところでくすりと笑ってしまいました。
で、ちょっと気になったのは質問の真相は義妹へのプレゼントへのアドバイス、ってことだったんですが、バイト代を貰ったのがイブ。
プレゼントをいつ買ったんだろう。
妹ちゃんはアメリカ在住。時差があるとはいえ、間に合わないのでは?
あ、もしかしたら仕送りをプレゼント代にあてて、バイト代を生活費に、ってことなのかな?
この話は、バトルもシリアスな展開も何もない話。
最後にアストラルでパーティー。料理は隻蓮さん。なんてアットホームなんでしょう。
たまにはこういうのもいいですね。
『魔法使いとソロモンの血』
あらすじに書かれているのはこの作品のことです。
アストラルメンバーはほとんど登場しません。
アディリシアのあせりが如実にあらわれてる作品。
「竜」の事件のとき、アディリシアは魔法使いとして敗北しました。
フィンには全く歯がたたず、穂波を引き止めたのも魔法使いとしてというより恋する乙女として、でしたから、焦るのもわからなくもないんですけどね。
いつきと糸(パス)を繋げるためにいつきと×××しちゃう訳なんですが、嫌いじゃないです。こういうの。(未読の方のために一応伏せます。)
最後に裏切り者を逃がすわけですが、以前までのアディリシアだったらきっとそんなことなかったんでしょうね。
きっと問答無用で殺していたでしょう。
そう考えると魔法使いとしてはあんまりよくないのかもしれませんね。
『魔法使いとソロモンの絆』
書き下ろし。タイトルからしてわかると思うのですが上の『魔法使いとソロモンの血』の裏側の作品。
ゲーティアの徒弟にしてアディリシアの家令であるダフネが主人公の話。
ダフネがかわいい。というか隻蓮さんがすごいのか。
なんであんなことサラッといえるのか。
色のない彼女が照れる様はきっと可愛いんでしょうね。
内容としてはかなりシリアスです。
結局のところ、ダフネのかつての友2人がどちらも裏切った訳ですから。
そしてここでもまた<螺旋なる蛇(オピオン)>の名が。
すっかり忘れてました。
『<特別付録>「レンタルマギカ」の基礎理論』
明王、くだぎつね、顕現現象(アポート)、星祭り、フォルネウス、アスモダイについての説明とそれに対するいつきと穂波の会話が書かれてます。
なかなかタメになりました(笑)
前々から顕現現象(アポート)ってどこかで聞いたことあるような?と思っていたのですが、この説明で分かりました。
田中芳樹さんの「
夏の魔術シリーズ」です。
確か主人公の大学生の男の子がそんな能力を使ってたような記憶があります。もうほとんど覚えてないんですけど。
他に聞いたことのない能力で音だったので、印象に残っていたんですね。
今回、いつもより長く書きすぎました。
なんでこんなに長くなったんだろ。
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