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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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死ぬほど読書

死ぬほど読書/丹羽宇一郎
もし、あなたがよりよく生きたいと望むなら、「世の中には知らないことが無数にある」と自覚することだ。すると知的好奇心が芽生え、人生は俄然、面白くなる。自分の無知に気づくには、本がうってつけだ。ただし、読み方にはコツがある。「これは重要だ」と思った箇所は、線を引くなり付箋を貼るなりして、最後にノートに書き写す。ここまで実践して、はじめて本が自分の血肉となる。伊藤忠商事前会長、元中国大使でビジネス界きっての読書家が、本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方を縦横無尽に語り尽くす。


本が好き!を通じて、出版社から頂戴しました。
人生で二度目の新書になります。


この本の冒頭に、2017年3月に朝日新聞に掲載されたとある大学生の投書が載せられています。
大学生の半数は読書時間が0分にという調査結果に対して『読書はしないといけないの?』と疑問を呈したものですね。
そこから議論をはじめ、著者が読書についてああでもないこうでもないと語っている1冊になっています。

ものすごく読みやすいです。
200ページもない本だということもありますが、1時間~1時間半程度でさらりと読み切れる程度の分量ですし、使われている言葉もそこまで難しいものではありません。
あまり読書をしない人でもとっつきやすいとは思います。

こういった本だと、小説や漫画ってバカにされるといったらアレですが、下に見られているのでは?と戦々恐々としながら読み進めていたのですが、そういうことはありませんでした。
小説でも漫画でも作者との対話は出来る、と。そこから新たな本への出会いがつながっていると。


読んでいてものすごく納得してしまったのは、タイトルと内容のギャップの話。
面白そうなタイトルだな、と思って読みはじめものの中身はそうでもなかった……ということは読書をする方なら一度は経験したことがあると思うのです。
著者はそれを避けるために目次が参考になるとしていますが、小説だとあんまり意味がない気もします。
漫画だとシュリンクかけられてるから目次すら見えませんけどね(笑)

あとはそうですね。「人がすすめる本は当てにならない」とか「読書は無償のものである(=効果や効能を期待して読むものではなく楽しいから読むとかでいいとのこと)」とか。
その辺は一読書家としては、うんうん頷きながら読めました。

書店の息子であったという著者は売物をこっそり綺麗に読んで戻していたとか「おいおいいいのかよ」と思わずツッコみたくなることはあったのですが、普段なかなか読まない種類の本なので勉強になった気がします。

書評は読者にとってあまり参考にならないし、当てにならない。その程度のものと思っていたほうがいいと思います。(p60)

こう述べている著作を書評を書くことが条件のサイトに献本するというのはちょっと矛盾というか皮肉というか(笑)
書評サイトとのアレコレに著者が関与しているとは思えませんが、ちょっとなーと感じてしまいました。

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闇のダイヤモンド

闇のダイヤモンド/キャロライン・B・クーニー(訳/武富博子)
フィンチ家では、アフリカからの難民家族を一時あずかることになった。
高校生のジャレッドは乗り気になれないが、妹のモプシーは大喜びで迎え入れようとしている。
ところが、やってきた難民たちには恐ろしい秘密があった……。


図書館で借りてきました。
数年前からあることは気づいていたのですが、今回ようやく読めました。


物語の舞台はアメリカ。
教会の活動でアフリカからの難民受け入れ支援をしていたのですが、彼らが入居するはずだったアパートがダメになってしまいフィンチ家にその難民一家――アマポ一家を一時的に居候させることになるのです。
フィンチ家の長男であるジャレッドは年頃の男の子ということもありそれを嫌がるのですが、妹のモプシーが大喜びしていることもあり、どこの家庭でも母の言葉は絶対です。
ジャレッドの意見が通るはずもありませんね。

そうして健康で働くことに意欲的な難民がやってくるはず……だったのですが、実際にやってきたのは両手の先を失った父親・アンドレとそれを支える母親・セレスティーヌ。
祖父母の遺灰を腕にした少年・マトゥと自ら動くことも話すこともしないボロボロで痩せぎすな少女・アレイクと何やら問題がありそうです。


様々な人物の視点で語られる物語ゆえに、読者はその展開にハラハラさせられます。
というのも、メインとなるフィンチ家や学校でのアレコレ以外に挿入される『五人目の難民』の存在がどんどん不安をあおってくるからなのです。
物語序盤から登場する『五人目』・ヴィクターは、アマポ家のもとにどうにかして向かおうとしているのですが、その行動がとてもう暴力的で。
喋らないアレイクの視点でそのヴィクターの所業が語られていくことでさらにその不安が増していくのです。

序盤から違和感のあるアマポ家の秘密、そしてタイトルでもある『闇のダイヤモンド』と合わせていったいどうなってしまうんだ?とハラハラしながら読み進めました。


この物語で一番成長したのは、モプシーでしょう。
年齢のわりに幼いと評されていた少女は、アレイクの世話をやき、彼女のためにと様々なことを考え、彼女を救おうと奮闘します。
最後のちょっと皮肉めいた言葉は、難民一家と触れ合う前であれば彼女の口から出ることはなかったでしょうね。

アメリカというと銃社会のイメージが強かったのですが、地域性の問題なのでしょうか。
フィンチ家では、戸締りもまあ適当で、銃を持っているような描写は一切なし。
讃美歌など宗教的な描写も多く、そういったものに全く触れたことのない身からするとその辺はさっぱりわかりませんでした(笑)
まあ、なんとなくわかれば大丈夫でしょう。多分。

そうこうあって新たなスタートを切る事になったアマポ家。
過去のしがらみをなくした彼らの未来はきっと明るいのでしょうね。

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伴走者

伴走者/浅生鴨
自分ではなく他人のために勝利を目指す。
熱くてひたむきな戦いを描く、新しいスポーツ小説!

夏・マラソン編
「速いが勝てない」と言われ続けた淡島は伴走者として、勝利に貪欲で傲慢な視覚障害者ランナーの内田と組むことに――。

冬・スキー編
優秀な営業マンの涼介は、会社の方針で全盲の天才スキーヤーの女子高生・晴の伴走者をするよう命じられるが……。


本が好き!を通じて頂戴しました。
中々自分じゃこういう本は選ばないから助かります。


【夏・マラソン編】
【冬・スキー編】

の2作が収録されています。
2作の間に関連性はないので、どちらから読んでも大丈夫です。

どちらも先天性、後天性の違いはあれど全盲のアスリートとその伴走者のあれこれを描いた物語です。
時間軸は東京オリンピック・パラリンピックから数年後。スキー編では北京オリンピックも終わっているようなので本当に近未来の出来事を描いているようです。

読んでみて練習の先に待つもの――勝負の行方も気になるし、単純に物語としても面白かったのですが、それ以上に勉強になったな、と。

伴走者というのは、視覚障害のあるランナーに「この先右に曲がります」とか「段差があります」とか給水の補助をしたりしながら一緒になって走る人のこと。
競技者ではあったもののパラスポーツには関係してこなかった淡島と涼介の両者。
彼らは視覚障害のある内田と晴にどのように接すればいいのかもわからない状態からスタートするのです。

そのため、健常者が当たり前にしてしまうことが彼らからすると当たり前でないこと、気の使われ方についてのアレコレ学びながら少しずつ距離をつめ、成長していくのです。

ちょっと残念だったのは、どちらの物語でもゾーンというか、完全にアスリートの目になるという状況になること。
片方だけであれば、何それすごいで終わったのでしょうが、両方で同じような描写があるとちょっと凄みが薄れてしまう気がしました。


今回、この本を読むことがなければ私はきっと『晴眼者』という言葉を知ることはなかったでしょう。
平壌パラリンピックは残念ながらほとんど見ることがなかったのですが、毎回のごとくあるオリンピック、パラリンピック時の過性のブームだけでなく、もっとパラスポーツが浸透することを願います。

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