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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

ログ・ホライズン 1 異世界のはじまり

ログ・ホライズン 1 異世界のはじまり/橙乃ままれ
老舗オンラインゲーム「エルダーテイル」の世界に日本人ゲーマー3万人が閉じ込められた。モンスターとの戦闘、味を失った食料、死ぬことのない境遇。昨日までプレイしていた「剣と魔法の世界」が今日からの「現実」。混乱続くエルダーテイルで、一匹狼を自負していたシロエが、旧友直継、美少女暗殺者アカツキらと、廃墟アキバから世界を変える。


そういえば、紹介していなかったなーと思って引っ張り出しました。
実は一通りそろえてあるんですよ(;´・ω・)


内容としてはいわゆる異世界トリップファンタジー。
トリップしたのはオンラインゲーム・エルダーテイルのプレイヤーおよそ3万人。
なんでもできるようになってしまった剣と魔法の世界で生きていく人々を描いた作品です。

1巻ということで、今回は状況説明がそのほとんどを占めています。
主人公であるシロエ、シロエが信頼する仲間である直継、シロエに恩義を感じ忠誠を誓う少女・アカツキがメインの登場キャラクター。
NHKでアニメ化されているので知っている人も多いかもしれませんね。
残念ながら私は未視聴なのでいつか見たいです。

こうやって設定だけを書き出すとSAOと似ているんですが、そちらとはだいぶ違います。
それというのも、SAOはウソか本当かは別として、原因と結果、脱出のための手段が説明されており、一応の指針が示されています。
一方、ログホラではそういった運営、あるいは世界の神とでもいいましょうか。そういった存在からの接触は皆無です。
そのため、プレイヤー――冒険者たちは自分たちでどう行動するのか、自らの意志で決めなければならないわけです。

そして、ここが一番の違いだと思うのですが、SAOだとゲームの世界での死=現実での死でした。
ですが、ログホラの世界ではそれこそゲームと同じように死しても神殿で復活するのです。
SAOとは違い、レベルや装備、スキルなんかはゲームの世界から引き継いでいるらしく、高レベルプレイヤーだとそうそうダメージすら加えられないようですし、いわゆる一般のゲームだと僧侶や白魔導士的な扱いなのかな?回復職も複数存在しますし、ポーションも存在するのでそうそう死ぬことはないようです。

ただ、ゲームの世界であったころに存在した運営という名の秩序がなくなってしまったがゆえに、徐々に治安が悪くなっていきます。
ゲームの時代であれば、リスクが多すぎて行うものの少なかったPK(プレイヤーキル)行為や女性に対する暴行が徐々に目立つようになっていきます。

この作品のメインの舞台はアキバという秋葉原をモデルにした都市なのですが、懇意にしているギルド《三日月同盟》のメンバー・セララを救うため、シロエたちはススキノ(同じく札幌薄野がモデル)へ向かいます。
そこでセララ、旧知の仲でありセララを保護していたにゃん太と合流し、ススキノをあとにした、ってところまでが今回のお話。

ゲームのころの設定が生きているもの、ゲームとは変わってしまっているもの、転移――《大災害》の原因はなんなのか。
色々と考えることは多そうですが、中々におもしろいお話でした。

区切り的に、これって前後編の前編だったんじゃ?って気がするので近いうちに続きが読めたらいいなと思っているのですが、難しいかな?

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異世界コンサル株式会社

異世界コンサル株式会社/ダイスケ
活躍できない勇者には、理由がある。
異世界に転移した経営コンサルタントが、勇者たちの冒険ライフを徹底サポート。
経営問題解決のハウツー満載のファンタジー・ビジネス小説!

通勤途中に突然異世界に転移した、経営コンサルタントのケンジ。特にチートもなく、魔術も使えないケンジは、膝のケガをきっかけに、所属していた冒険者パーティーをクビになってしまう。冒険者から「冒険者サポート業」への転職を決意したケンジは、赤毛の弓兵・サラをアシスタントに加え、元経営コンサルタントのハウツーを生かして、周りのパーティーの問題を次々と解決し、頭角を現していく。やがてケンジは、腕利きで鳴らすトップクラン「剣牙の兵団」と組んで、ある事業に乗り出すのだが――。
サラリーマン必読のビジネスハウツーが満載、異色のビジネス・ファンタジーノベル!


本が好き!さんを通じて出版社さんから頂戴しました。
なんかこの本、炎上してるらしいんですが大丈夫かな?


帯にもある通り、物語はごく普通のサラリーマンであった青年・ケンジが異世界トリップして数年がたった世界が舞台。
怪我が原因で、引退を勧められたケンジは自身の現代日本の知識を用いて活躍していく物語です。

これだけだと言い方は悪いかもしれませんが、よくある異世界トリップものです。
この本のおもしろい点はそんな異世界トリップものをビジネス書として発売したことでしょか。

ラノベ×ビジネス書の先駆者としては、もしドラが有名ですが、それと同じようなことを狙ったのでしょうか。

読み終わった感想としては、もしドラよりは小説としては面白い、というかこなれています。
さすがに小説家になろう!発というだけあって、文章としては普通に読めます
。 けれど、小説として読むには途中途中の【この節のまとめ】が邪魔。
せめて【この章のまとめ】にしてくれればよかったのに。

ビジネス書として読むにはどうなのでしょうか。
帯には『サラリーマン必読のビジネスハウツーが満載』とあるのですが、これどちらかというと社長、起業したい人向けなんじゃ?と。
資金調達方こそ今だとクラウドファンディングなんかがあるから一般人でも資金が調達が可能だったりしますけど、株主の構成やら廃業の心構えやら一社員がどうこうできるものじゃないものも多く、誰向けなのかがちょっと迷子っぽい。

さらに、失敗した時のリスクや、それをすることで生じるデメリットが本編でほとんど描かれていないのが気になります。
【まとめ】では多少触れられているものの、靴の利権関係以外でリスクについて描かれていないような?
うーん、多少失敗を描いても良かったのではないかとも思います。

はじめ、ケンジの物言いが現地人(というか駆け出しの冒険者)を見下しているように見えてちょっとイラッとしながら読んでいたんですが、話が進むにつれそれは気にならなくなりました。
ケンジの最終目標が、そんな駆け出しの冒険者の命を守るためのものだとわかったからでしょうか。

単純に小説としてなら、この後どうなるのか気になるのですが、ビジネス書として発売してしまった本書。
続編というものはありえるのでしょうか。気になるところです。

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夏と花火と私の死体

夏と花火と私の死体/乙一
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。
こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。
次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才 能・乙一のデビュー作、文庫化なる。


ちょっと前に手に入れる機会があったので随分久しぶりに再読です。
なので(?)私が持ってるのは藤崎竜カバーではなく石段が描かれた方だったりします。


短い作品なので、表題作【夏と花火と私の死体】【優子】が収録されています。
まずは、【夏と花火と】の方から。
この作品の何がすごいかって、タイトルの通り"私"は"死体"なんですよね。
冒頭で物語の語り部である少女・五月は死んでしまいます。

主人公が初っ端で死んでしまう作品っていうのはまあ、なくはないです。
漫画ですけど、幽遊白書あたりが有名でしょうか。
けど、幽白はよみがえりますし、最近流行りの異世界転生モノも主人公が初っ端で死ぬけど転生ですから物語のほとんどが生者として語られます。
主人公ではなく、他の登場人物が死んで後ろで幽霊としてフワフワしてる状態で語り手を担う作品もちょっとすぐには思いつきませんが探せばあるでしょう。

けれど、この作品はそれらとは一線を画しているのです。
何が違うかって物語の最後以外すべて"わたし"の視点で語られているという何とも不思議な書き方をされているのです。
解説の小野不由美さん(豪華!)の言葉を借りると
「これはむしろ、『わたし』という自称を持つ神の視点なんだと思う。(中略)この神はかつて五月という九歳の少女であり、五月の記憶を持っており、五月の情感の残滓を留めているのだが、確実に記述上の『神』だ」(p218)
こんな感じ。

聡明かつ胆力のある少年である健くんの主導で、妹の弥生ちゃんとともに五月の死体をどうするかと右往左往する訳ですが、正直ご都合主義な感じはあるし、ラストはあれで五月の死体が見つからないことになるのはちょっと無理があるでしょう。
それでも死体の視点で語られるという奇抜さだけで読ませるだけの力があるすごい作品。

子どもの無邪気さが恐ろしい作品でした。


次は、【優子】
再読なのでこちらも一度読んでるはずなんですが、全く覚えていませんでした(笑)
清音という少女がとある家で住み込みで働くようになり、その家の主人の妻の存在に不信感を抱くようになるお話。
叙述トリックの妙というか、清音の視点で語られているからこそ許される作品ですね。

どこまでが事実であり、どこからが幻覚だったのか……。
途中でなんとなく気づきましたが、それでも不気味な作品でした。

今度はダークじゃない乙一作品を読みたいです。

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