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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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テディが宝石を見つけるまで

テディが宝石を見つけるまで/パトリシア・マクラクラン(訳/こだまともこ)
詩人のシルバンさんは言ったんだ。
きみが、宝石をひと粒か、ふた粒、見つけられるといいなって。br ――さて、その宝石とは?

吹雪の中、迷子になり、途方にくれる幼い兄妹。
救いの手をさしのべたのは、1ぴきの詩人の犬だった。
詩人の犬、テディが語る、小さな奇跡の物語。


図書館で借りてきました。
予定外の借り物だったんですが、すごく良かったです。


ひどい吹雪が続く中、そこで迷子になった幼いニッケルことニコラスとフローラの兄妹と詩人の犬・テディのどこか寂しくて悲しくて、でもあたたかい。
そんなお話です。

この本のページをめくると、目次よりも先に作者の言葉が書かれています。
犬は言葉をしゃべります。
でも、詩人と子どもたちにしか聞こえません。

帯にある『詩人の犬』って二通りの意味がとれると思うんです。
『詩人に飼われている犬』という意味と『犬が詩人である』という意味。
この物語に登場するテディは、そのどちらも当てはまっています。

詩人であるシルバンさんと生活を共にし、詩を解し言葉を覚えたテディもまた詩人なのでしょう。

100ページもない短くて薄い本です。
文字もだいぶ大きいので1時間もかからず読めてしまいます。

現在と過去が交差しながら降りしきる雪のように静かに描かれていくのですが、その様が美しくて柔らかくて。
不安や悲しみを覆い尽くしてそして外の雪たちよりも一足早く溶かしてしまったのでしょう。

タイトルでもある宝石は、ギラギラと光るようなものではありません。
ガラス玉のようなほんのりと柔らかな光を放つ宝石なのでしょう。

テディが宝石を見つけたときには思わず涙がこぼれそうになってしまいました。
ここのところ、図書館で借りた本を手元に置いておきたいと思うことは少なくなっていたのですが、今回はついつい値段を確認してしまいました。
ハードカバーだから多少高いけれど、これは手元に置いて何度も読み直したいです。

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14歳のバベル

14歳のバベル/暖あやこ
バベルの塔は崩落する。
それが合図だ!
担ぎ込まれた病院の診察台。
夢うつつの14歳の脳裏に現れた光景は鮮烈だった。

巨大な樽の林立する地下工場。
指揮を執る少年王の姿――。

同い年という彼は囁くのだった。
間もなく地上は消滅する。代わって自分たちが人類史をやり直すのだ……。

ビール会社のキャンペーンと、黙示録的計画の関わりに気づいた二人の14歳は、秒読みの中で知恵を絞り、そして行動した。


本が好き!さんを通じて作者さんから頂戴しました。
はじめて読む作家さんですね。


物語は、何らかの問題(サイバーテロ?)があって懐古というか科学技術の一部を捨てた近未来が舞台。
そのため、作中で固定電話は登場するものの携帯やメール、インターネットはなくなってしまっています。
イエローフライデーなる7月の第三金曜日のイベント――黄色いものを身に着けたり、飲食したりすると幸せになれるというがあったりと中々に謎な世界観ですね。

主人公は中学生の少年・冬人。
いわゆる保健室登校をしている彼は、精神的なものなのか時たま発作を起こして倒れてしまうのです。
そんな発作の際に夢かうつつかたどり着いた少年王がおさめる不可思議な工場と彼らの計画を知り、それを阻止するために奔走します。

少しずつ謎というか計画が明らかになっていき、それを頓挫させるために奔走するというのは中々に好みな設定です。
腐女子である身としては少年同士のアレコレというのも大好きです。

けれど、なんだか物語に入り込めないまま終わってしまいました。

8年前の事件もそのうち語られるのかな?と思っていたら、結局きちんと語られないまま物語が終わってしまいました。
もしかしたら、この物語って作者さんが長く温めてきたお話なのかもしれませんね。

なんとなく二次創作読んでる気分とでもいいましょうか。
二次創作ってある程度の設定を読者が知っているため、描写が省略されがちなんですね。
大元となるシュメール人の物語が作者の中にあったがゆえの描写不足なのかも、なんて思ってしまいました。

設定は中々に面白いだけにもったいない気がしてなりませんでした。

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ジュディ・モードはごきげんななめ ジュディ・モードとなかまたち1

ジュディ・モードはごきげんななめ ジュディ・モードとなかまたち1/メーガン・マクドナルド(絵/ピーター・レイノルズ 訳/宮坂宏美)
今日から新学期。 でも、ジュディは、朝から「ふきげんモード」。
なぜって、休みのあいだにトクベツなことをなんにもしてないから。br
おしゃまなジュディと弟のスティンク、親友のロッキーがくりひろげる楽しい物語。


図書館で借りてみました。
でも、先に読まなくちゃいけない本もあるんですよね汗


主人公はタイトルにもなっているジュディ・モード。
ジュディは新学期から3年生になる女の子。

不機嫌だと「ガオ!」とか言っちゃうし、思い出のTシャツがないからと自分でマジックで「あたしはサメを食べた」なんて書いちゃうようなちょっと変わった子なんです。
でも、読んでいてすごく懐かしくなれるそんなお話でした。

ひとつ下の弟・スティンクの扱いがすごく雑だったり、変な噂のある男の子のことを毛嫌いしてみたり(でも実際に関わりあって友達になれるんだから根はいい子なんですよね) 。
ガチャガチャでレアものを狙ってみたり、綺麗な石をみつけて喜んだり、。
秘密のクラブを作ってみたり、よくわからないものをコレクションしたり。

と、小学生の時のアレコレをものすごく思いだすお話でした。
でも、ジュディの行動ってどっちかというと女子というより男子小学生っぽい気がします(笑)

「マウス」というネコを飼っていたりしてなんだか捻くれてるなーと思いつつ読んでいたのですが、このマウスはおばあちゃんなんだとか。
おばあちゃんと言われる年齢のネコってことは、もしかしてマウスって名づけたのはジュディの両親なのでは?なんて想像してしまったのですが、ある程度の年齢で拾ったり迎え入れて いればジュディが名づけていてもおかしくはないんですよね。
どちらにしろ、ちょっとめんどくさいジュディを受け入れているおおらかな両親ですから、まああんまり気にかけても仕方ないですね(笑)


学校の課題である「自己紹介コラージュ」を作りながらすすむエピソードの数々は読むうちに、はじめはなんだか生意気だなと思っていたジュディが可愛く思えてくるのです。

不機嫌だったりご機嫌だったり作中で登場する『ヘッダ・ハヤク・ヨクナッテ』のようにクルクル変わるジュディの何気ない日常がこんなに楽しいのはこの年代の特権だと思います。

続きが何冊も出ているようですね。
地元図書館にも何冊かあるようなので機会があれば借りてきたいと思います。

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