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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】有栖川 有栖」の記事一覧

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臨床犯罪学者・火村英生の推理1 46番目の密室

臨床犯罪学者・火村英生の推理 I    46番目の密室 (角川ビーンズ文庫)臨床犯罪学者・火村英生の推理1 46番目の密室/有栖川有栖
英都大学社会学部の若き助教授、火村英生。その明晰な頭脳で難事件を解決し、「臨床犯罪学者」と呼ばれている。そんな火村が心を許す唯一の存在は、大学時代からの親友である推理作家、有栖川有栖。冬のある日、有栖川が大御所推理作家・真壁聖一の別格に招かれたことから、2人は軽井沢を訪れることに。しかしなんと真壁自身が「密室」で殺される事件が起き……!?
伝説の名探偵と推理作家の最強コンビ、ビーンズ文庫に登場!!


以前紹介した46番目の密室と同じものなんですが、紹介してから2年以上たっていること。
出版レーベルが違うことから再度紹介させてください。


本編はまったくいじってないと思われます。
火村先生は助教授のままだし、真帆ちゃんのソ連云々のセリフもそのまま残っています。
なので、今回は本編のことはあまり語らずにすませようと思います。


今回ビーンズ文庫から刊行されたこのシリーズ。
ビーンズって何かしらファンタジー要素ないとダメだと思っていたんですが、そういうこともないんですね。

この作家アリスシリーズは多くの出版社にまたがって刊行されています。
(講談社・角川書店・双葉社・新潮社・光文社・文芸春秋・徳間書店かな?)
出版社の枠をまたいで再度出版されるっぽいので新規で入る方はこっちの方がわかりやすいかもしれませんね。

ただ、ちょっと疑問もあって。
出版順からすると次に刊行されるべきは「ダリの繭」なんですよ。
しかし、巻末の予告によると1月に発売される「火村英生の推理2」は「ロシア紅茶の謎」。
46番目もロシア紅茶も元々講談社から発売されていたものなんで、出版社の壁は越えているのは間違いないんですけどね。
ダリの繭こそ角川書店から出版されているんで、再刊行しやすいと思うんですがどうなっているんだろう?


ビーンズ文庫で出版されることもあり、表紙が麻々原絵里依さんのものとなり、挿絵も挿入されています。
あらすじを読んでもわかるかもしれませんが、今回出版社側が見込んだであろう読者層は腐女子。
挿絵のシーンがかなりですね、萌えました。

この感想書くのにあらすじを読んだのですが、すっごいですね。
確かにその通りなんだけど、その言い様だと2人の関係がすごく怪しいもののように見えますよ(笑)
あらすじで思ったのは火村先生は「伝説」というとちょっと御幣があるような気がしました。
今も変わらず活躍されている火村先生を伝説にしてしまうのはちょっとなぁ、と。
まあいいんですけど。

初回限定特典で「有栖川有栖」の名刺が封入されているんです。
ちゃんと住所が夕陽丘になっていたり、有栖の綴りが「Alice」だったりと細部まで楽しませてもらえる一品でした。
2巻には、火村先生の名刺が封入されたらいいな、と期待しています。
前述の通り、次巻は来年1月1日発売予定。
楽しみです。

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モロッコ水晶の謎

モロッコ水晶の謎 (講談社文庫)モロッコ水晶の謎/有栖川有栖
とある社長宅のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生! 邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は……。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題策ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた<国名シリーズ>第8弾。


かなり久しぶりの有栖川さんの作品です。
今日はエイプリルフールということもあり、ツイッターのbotが片桐さんになっていたりと茶目っ気ある試みに楽しませてもらっていました。
それを見ていたら最近読んでないなーと思い出して引っ張り出しました。


まずは、『助教授の身代金』
作者もあとがきで触れていますが、なんとも語弊を招くタイトルですよね。

てっきり火村先生が誘拐されてしまったのかと思ってすごくワクワクしながら読んでいました。
読みはじめてすぐに助教授≠火村助教授だとわかりましたけど。

まさかの展開といっていいんじゃないでしょうか。
そして、珍しくまともな発言しているな、と思った有栖の発言も伏線でしかなかったんですね(苦笑)


次、『ABCキラー』
これは「ABC」殺人事件なるアンソロジーに収録されたもの。
あとがきで語られていましたが、はじめは「ABCD殺人事件」だったんですって。
うん?って思う方いると思うんですが、赤川次郎さんの四文字熟語殺人事件シリーズと同名なんですよ。
だから『ABCキラー』に変更されたんだとか。
閑話休題。

アガサ・クリスティーの『ABC殺人事件』の模倣というか、それが連想される事件がおこります。
絶叫城殺人事件と同じく、架空のものを現実世界に持ち出したように見えたから、ああも名前が出ているんでしょうね。

何のつながりも見えない4つの事件。
いかにして謎を解いていくのか見物です。

思わず、なるほどと思わされました。
逮捕されることのない3人目の罪、実はこれが一番罪深いんじゃないかなと思いました


3つ目は『推理合戦』
これは掌編――SSですね。

久しぶり(?)に朝井女史が登場しています。
彼女が連載を開始した週刊誌の小説の話から何故か、推理合戦というかお互いの行動をあて始めた火村先生と朝井さん。

それにちょっと納得がいかなかった有栖がわざわざ現地に確認までしにいくんです。
現地で確認したところ、2人の推理の過程がわかります。

そして、ちょっとした意趣返しにと、連載を開始したばかりの推理小説の犯人をあてます。

たまにはこういう話もいいですね。


最後は表題作の『モロッコ水晶の謎』
有栖が取材にいった先でホームパーティーに参加することになるのですが、そこで1人が毒殺されてしまいます。

事前に毒を混入したならば、いかにして被害者が毒入りグラスを選ばせたのかがわからなくて。
被害者がグラスをとってから毒を入れたんだとしたら隙が見当たらなく。
火村先生は苦戦を強いられます。

動機というか、犯行を実行した犯人の心境がまったく理解できませんでした。
なぜ、たったそれだけの理由であんな賭けめいたことが出来るのでしょうか……。

若干、不安定っぽいな、と読んでいて思ったのは確かですが、あそこまでひどいことになっているとは思いませんでした。
なんというか、すごく怖いなと思いました。
ただそれだけです。

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白い兎が逃げる

白い兎が逃げる (光文社文庫)白い兎が逃げる/有栖川有栖
ストーカー行為に悩む劇団の看板女優・清水伶奈。彼女を変質者から引き離す計画は成功したはずだった。ところが、ストーカーが兎小屋の裏で死体となって発見される。追いかけていたはずの彼が――。鉄道に絡むトリックを用いた表題作ほか、火村とアリスが挑む三つの事件。ミステリのエッセンスをふんだんに盛り込んだ、これぞ正統派の推理小説。


台風が北海道を通過していってちょっとほっとしました。
みなさんのところは大丈夫だったでしょうか。
本当に今年は天災が多いですね……。

今日は有栖川有栖さんの中編集(作者あとがきより)。
同じ中編とはいいつつも、表題作の占める割合がかなり大きいです。


【不在の証明】
双子の両方と交際のあった女性の部屋で弟が殺されているのが発見される話。

現場では、兄らしき人物が目撃されているが兄にはアリバイがあって……というもの。

ミステリーにおける双子、イコール入れ替わりと目撃者の誤認だとかそういうものにばかり目がいってしまいますよね~。
そちらにばかり気を取られていて簡単なヒントを流してしまいました。
登場人物少ないし、ちゃんと考えればわかったんじゃないかと思います。
ちょっと悔しい。


【地下室の処刑】
森下刑事がシャングリラ十字軍なる過激宗教団体によって監禁されてしまい、その目の前で不可解な殺人が起きる話。

シャングリラ十字軍とは「カルテルの光」という新興宗教団体から派生した過激分子で、テレビ局や競馬場、野球場に爆弾を仕掛けたりした団体なんだとか。
あらかたは逮捕できたものの代表を含む幹部4名が全国指名手配されているんだそうです。
名前だけは暗い宿内の『異形の客』でも登場していました。

森下刑事はその幹部のうち1人を街中でみかけ、応援を呼ぼうとしたところで拉致監禁されてしまうのです。

森下刑事の目の前で起きようとした処刑。
「どうせ殺される人間を先んじて殺す意味は何か」
人を殺す理由で、こういう理由もありなのか、と薄ら寒くなってしまいました。

でも昨日紹介した地獄堂霊会通信を連想してしまいました。


【比類のない神々しいような瞬間】
ダイイングメッセージもの。

はじめに殺された先生が残したダイイングメッセージは珍しく、火村先生よりも先にわかりました。
いや、調べはしなかったので「これだ!」と断定できませんでしたけど。
そういう遊びがあり、かつああいう表記の仕方をするのは知っていたので「きっとそうなんだろうな」程度でしたけど。

最後にあかされた1000円札の秘密については「うまいなぁ」という他ありませんでした。
このネタは期間限定だからやったもん勝ちですね。
今じゃもう当たり前すぎて使えないですもんね。


【白い兎が逃げる】
ストーカー加害者の男が死体となって発見される話。

表題作です。
前述の通り、収録されている4編の中で1番長いです。
200ページ弱くらいかな? 1冊の半分程度がこの作品です。

あらすじにもあるとおり、時刻表も若干絡んできます。

途中、警察のストーカー犯罪への対処の遅れについてアリスが憤っているんですが、これってきっと「登場人物の有栖川有栖」の意見でもあり「作者の有栖川有栖」の意見でもあるんだろうなぁ。
だって、あの法律に関するやりとりは物語の本筋には影響してきません。
「ストーカー被害者の関係者が逆上して犯行に至った可能性もある」ぐらいはどこかにいれなきゃいけないかもしれませんけど。
そう考えると作者の憤りって考えたほうがすんなり理解できるかなぁ、と。

ムンちゃんと呼ばれる男性が登場するんですが、裏京都ミステリーを思い出してしまいました(笑)
裏京都のムンちゃんよりこちらのほうが頭は良さそうです。

そういえば、科学捜査研究所の中森さんが登場するのですが、有栖川さんの作品で鑑識さんが登場したのってはじめてですか?
ちょっと不思議な感じがしました。
だいたいが刑事さんたちから情報をもらうからそういう鑑識さんから情報を得るってこともなかったんですねー。

ストーカー加害者が殺されるってことも、アリバイ崩しもおもしろかったです。
まさに盲点というか、前提条件が違うからこそできるトリックです。
見事にだまされました。



これからたこ焼き作るんで今日はこのへんで。

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