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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】香月 日輪」の記事一覧

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完全版 地獄堂霊界通信 8

完全版 地獄堂霊界通信(8) (講談社ノベルス)完全版 地獄堂例会通信 8/香月日輪
天界から逃げ出した謎の生命体「幸福」を追い、術師・蒼龍とともに。妖精界へと旅だった三人悪。
そこで彼らは満ち足りた幻に支配されてしまう!
リョーチンは悩む――「幸福」とは一体何なのか……。
椎名は吠える――それは自らの手で手に入れるものだ、と。
てつしは諦めない――最後まで笑っていることを。
悩み成長するする少年たちの冒険譚、セカンドシーズン完結!!
(「幸福という名の怪物」他二編を収録)


ツイッターでもちらりとつぶやいてましたが、香月さん作品がここから連続刊行すぎてそのほとんどを買う身としてはなかなか厳しいです。
でも絶対買いますけどね。

というか、登場人物紹介に竜也兄ちゃんいたから登場するのかと期待してしまった。名前しか登場しませんでしたorz

【幸福という名の怪物】
「幸福」という化け物を追う話。

この話、椎名がメインといっても過言はないです。
今回はリョーチンが表紙ですが、あんまり目立ってないような気が……。

新キャラが濃い。
サー・マーカス・ヴァレンタイン。『魔眼の騎士』『聖狩人』などと呼ばれる『魔弾の射手』で、すでに現役を引退して後進の指導にあたっていて、椎名曰く「こりゃ、女にモテるだろうなぁ」とのこと。
この人なら椎名や蒼龍に「美しいものは好きだよ」とか言って腰を抱くくらいのことをしても驚かないです。
なんかエロい人です(笑)

今回三人悪たちが追う「幸福」。
悪意はないとはいえ文明レベルで人類を滅ぼしてしまうような危険な存在です。

「幸福」は夢の中で、自身が願っていたことが叶うんです。その夢の中から目覚めることなく、ゆっくりと死に至る。
死に方としては確かに幸福だろうな、と思いました。
「苦痛のない死」ってある意味すごく魅力的というか、根元的に死に恐怖を覚える人間として興味を覚えないといったら嘘になるっていうか……。
ちょっとどう表現したらいいのかわからなくなってきましたが、そんな感じ。
幸福に魅入られること自体は仕方のないことなのかな、と思いました。

「幸福」のやり口にまんまとひっかかってしまう三人悪たちですが、精神的に大人びていたからなのか、椎名だけが自力で抜け出します。

椎名の「幸福」の内容。
それからすごくてっちゃんが好きなんだな、ということが伝わってきます。
でも、それはその後のセリフから椎名にとって無意識の産物だったってことが窺えます。
プライドの高い椎名にとってはすごく許せなかったことなんだろうな。

蒼龍の本名らしきもの(お寺の三男坊で荻原空也だそうです)も明らかになってます。
蒼龍=龍さんが本当だとして、妖アパだとすごくミステリアスな存在として登場しているのでこうもポロポロ設定が明かされると「え、いいの?」って思ってしまいます。

すべてがオヤジの手のひらの上っぽかった「幸福」退治、オヤジはきっとある程度想像していたんだろうなぁ。

ラスト、椎名がヴァレンタイン卿に勧誘されたりしてましたが、まあこれに関しては思わず笑ってしまいました。
断ることは目に見えてましたが、ああいう物言いをするとは、って感じ(笑)

ちょっと気になったのは、リョーチンが椎名と蒼龍のやりとりを「仲いいよね」というシーン。
これ嫉妬っぽいんですがなんかのフラグなのかなー?


【浮き】
浮き男と塾通いの小学生の話。

「浮き男」なるただ川をぷかぷか流れていくだけの幽霊・片山修三と過度の期待に押しつぶされそうになってる小学生・大原邦夫くん。

邦夫くんのお母さんがすごくイヤでした。
塾の体制も今なら問題になるようなありえなさなんですが、それよりもお母さんが自分勝手すぎて。
このままだったら邦夫くんは遅かれ早かれ押しつぶされてしまっていたんだろうな。

片山さんとの出会いは、邦夫くんにとってすごくいいものだったんでしょうね。
何もしなくていい環境で、経験者の話を聞きゆっくりと考えることができた。
邦夫くんをいい方向に導いて去っていった片山さん。
いい話で終わるんだなぁと思ったのもつかの間、最後の片山さん宅でのやりとりにやりきれないなぁ、と思いました。

椎名のハッキングネタとかつっこみどころはあったんですが、そういうのをおしつぶすくらいテンションが下がりました。
死んでしまったことは仕方ないにしても、せめて死んだことにくらい気づいてほしいです。


【そこにいる ずっといる】
如月女医の彼氏の地元で起きた事件の話。

これも浮き男同様、忘れさられた死者の話です。
如月女医が彼の田舎にいったときに、少女の霊のとりつかれてしまうんです。

それをどうにかしようとするんですが、これもすごく悲しい話でした。
生きていたことすら忘れられた少女。
妖アパのクリといい、母親に酷いめにあわされる子供はすごくつらい。

香月さん作品で「家族なのに」とか「家族だから」っての多いような気がするな、とふと思いました。

ていうか如月女医って彼氏いたんですね。
しかも結婚を前提としたおつきあいってやつ。
いやーちょっとびっくりしてしまいました。

最後、自らの罪を認めきちんと罪に向き合ったのだけはよかったです。



次巻からは書き下ろし。
ていうか、児童書時代は暁の存在とか、投げっぱなしだったんですね。
うーん、ここからどう物語が動くのか楽しみです。

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妖怪アパートの幽雅な日常 4

妖怪アパートの幽雅な日常〈4〉 (YA! ENTERTAINMENT)妖怪アパートの 幽雅な日常 4/香月日輪
古本屋が持ちこんだ魔導書に封じられていた妖魔たち。
夕士はこの、かなりズレてはいるが憎めない妖魔たちを使いこなすべく、魔道士修行に励む一方、バイト先でコミュニケーション不足の大学生や自殺未遂の少女に出会う……。


漫画化もされ、文庫も続々発売されてなんとなく嬉しい妖アパです。
先日、シリウスほんの少しだけ立ち読みできました。でも本当に少しだけだったので全部読みたいな。単行本化を首を長くして待ってます。
多分、地獄堂の発売とかぶせてくるんじゃないかなーと思っているのですが、どうかな?


さて、本編の感想を。
今回は全編夏休みの出来事です。

プチを使うための修行がレベルアップし思い悩んだり、龍さんから『第三の眼』を貰ったり、バイト先の大学生とのコミュニケーション係りをおおせつかったり、自殺未遂の少女と出会い頼られ たりとけっこう盛りだくさんです。

今回のテーマは子どもの成長ってことでいいのかな?
それも『自分自身の経験をともなっての成長』。
そういう意味では夕士も大学生2人も、有実もみんな一緒くたかな。


コミュニケーションに関してはけっこう耳に痛い。
私の勤める会社の雰囲気がですね、大学生2人に近いというか。
でも剣崎運輸みたいに和気藹々とした会社ならともかく、元々雰囲気が「喋っちゃいけない」みたいな会社だとメールに逃げたくなるよーとはいいたい。

そういう点では夕士は本当に恵まれています。


クリの変化が顕著ですね。
今までゆっくりと成長し、呼んだら来るとかそういうことが出来るようになるまで何年もかかったクリ。
でも、夕士や長谷にイタズラし、ゲームやTVを見て踊ったりするとか本当に成長してるんだなぁ、と。
クリにとって2人は本当にパパとママに近いものなんだろうなぁ。


今回は『エール1960』の説明にちょっと「おっ」となりました。
ただ上院や条西の名前が出ただけなんですけどね。
ちなみに上院は地獄堂霊界通信の舞台で、条西高校は僕とおじいちゃんと魔法の塔の龍神たちが通う学校です。

そういや、夕士がプチ家出したときに向かった公園――鷹ノ台の港公園とかも地獄堂で出てなかったかな?
まあいいや。


最後に担任の先生が倒れたことが書かれて、千晶先生登場の伏線というにはあからさまだから、布石かな?
千晶先生が登場するだけでテンションあがる。
でも千晶先生登場=青木先生もだからなぁ。
夕士に感情移入する身としては、夕士があの先生のかわし方を覚えるまで本当にイライラしてたからなぁ。
それでも千晶先生登場は楽しみです。

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僕とおじいちゃんと魔法の塔 4

僕とおじいちゃんと魔法の塔(4) (角川文庫)僕とおじいちゃんと魔法の塔 4/香月日輪
幽霊のおじいちゃんと暮らす僕の、高校生になってはじめての夏休み直前。弟の和人や妹の晶子が塔に泊まりに来るということで、なえか魔女のエスペロスが大はしゃぎ。一方、僕たちは学食で暴れている先輩たちを見つける。エルベロスによると、彼らは猫に祟られているらしい。自業自得でそんなことになったようだけれど、知ってしまったからには助けたい。信久と僕は彼らのもとに向かうことにしたけれど!? シリーズ第4弾!!


先日書店で注文して購入した魔法の塔の4巻です。

新聞の広告で猫の祟りの話だというのは知っていたので、他作品との絡みという点で非常に楽しみにしていました。
他シリーズのキャラクターでそういうことに関する専門家が多いので(三人悪等地獄堂キャラ、龍さん、秋音ちゃん、藤之先生とか)、もしかしたら誰か1人くらいでるかも、とか読む前からテンションあがっていたのですよ。
ついでに目次で『魔道書』の文字を見て「古本屋来るか!?」とまたテンションあがったのですが、今回はそういうリンクはまったくなかったです。

私、大江戸妖怪かわら版は読んだことないのでそっちのネタがあっても気付けないんですけどね。
それに私が見つけられなかっただけなのかもしれませんので、見つけた方がいたら教えてくれると嬉しいです。


さて、本編の感想を。
特に分けられているわけではないのですが、今回は実質2話ですね。
あらすじにもある通り、猫の祟りの話。
そして龍神の弟である和人が悩む様が描かれてます。

時間軸としては、夏休み直前から8月頭くらいまで。
前巻を読んだときの予想は半分あたりました(笑)


猫の話は読んでいて途中で嫌になりそうでした。
エスペロスの話を聞いているときは特に問題なかったです。
次元の話だとかは香月さん本当にこの設定好きだなぁとか思っていたぐらいなので。

信久が悩んで「助けたい」と願うことは読んでいてほっこりしてくるというか、本当にいい子だなぁとか思って読んでいたのです。

それがよかっただけに余計酷く感じるんだとおもうのですが、先輩たちのやったことが本当に酷い。
表現は悪いですが、胸糞悪くなってくるというか、本当に助けてやる必要があるのか疑問に思えてきました。
一発くらいぶん殴ってやればよかったのにとか思ってしまいました。


和人の話は、すごい青春してるなぁ、と。
なまじっか和人は精神的に大人であり良い子。
自分には出来ないような生き方をしている兄・龍神が好きで、自分は龍神のようになれないことを自覚しています。
だからこそ、ミロワールみたいな悪魔につけこまれるんだろうな。

『世界のドア』という表現に初期の地獄堂を思い出しました。
てつしが『世界のドア』を開け、一歩踏み出していく様子を後から眺めている状態だったリョーチンと椎名。
椎名たちはてつしの後を追いすぐに自分の『世界のドア』を開けられたけど、和人の『世界のドア』が開くのはまだ先のようです。

いつの日か和人の『世界のドア』があいたとき、きっと母親も成長するのでしょうね。


次巻は2012年冬――来年1月とかかぁ。
長いですが、間で地獄堂(9月発売予定)もあるし、そちらも楽しみつつ気長に待ちたいと思います。

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