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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】その他」の記事一覧

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ホテル・コンシェルジュ

ホテル・コンシェルジュ/門井慶喜
「盗まれた金の仏像をとり返して」
「駐日アメリカ大使の暗殺計画を阻止せよ 」
「失踪した訪問販売員を捜してくれ」
京都の老舗ホテルには、お客様の要望をなんでもかなえてくれるコンシェルジュがいます。
「たしかに、うけたまわりました」

コンシェルジュは名探偵!?
名コンビ九鬼&麻奈登場
大規模ではないけれど、お客様にきわめて上質の時間を提供してえいると評判の「ホテルポラリス京都」。
ベテランコンシェルジュの九鬼銀平が、新人フロント係の坂名麻奈を助手代わりに、持ち込まれる難題を次々に解決していく。


図書館の新刊コーナーに並んでいたので借りてきました。
帯の文句に惹かれて借りたんですがやっぱり帯の文句は話半分に聞かないとダメですね。


【みだらな仏像】
【共産主義的自由競争】
【女たちのビフォーアフター】
【宿泊客ではないけれど】
【マダムス・ファミリー】

が収録されていました。
連作短編集です。

あらすじにあるとおり、コンシェルジュが持ち込まれる様々な問題を解決していく話です。

帯から受ける印象としては探偵役・九鬼、助手役・麻奈で、様々な客たちが問題を持ち込むんだと思ったんです。
実際読んでみると客として登場するのはただ1人というか1組?

いい所のおぼっちゃんでエグゼクティブスイートから大学に通うというふざけた生活をしている桜小路清長。
そして清長の叔母でパトロン(宿泊料を出してる)でもある那須あき子。
と、その関係者たちだけなんです。

もっと多くのキャラクターが登場するかと思っていただけにそれが残念でした。

物語としては微妙。
絶賛するような話ではないけれど、細く長く続きそうなイメージです。

徐々に、麻奈と桜小路の関係が変わっていくんですが、まだちょっと仲のいいスタッフと客という関係でしかありませんし。
それが恋愛になるにはまだまだ長い時間がかかりそうです。


正直、舞台をホテルに、九鬼さんの職業をコンシェルジュにした必要性がわかりませんでした。
桜小路家絡みの謎しか解いていないこの状況だとお屋敷にいる執事でよかったのでは?と思ってしまいました。


続きが出て、それを図書館で見つけたら借りるかも?って感じですね。
積極的に探そうとは思わないです。

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神なき国の神々

神なき国の神々/中村隆資
神も言祝ぐ短編時代小説傑作集
魂を飛ばす愉悦
よい小説は人を幸福にする
極上のおもしろさが躰の芯まで染みわたる
辛い浮世を嘆くまえに小説世界にふうわりと


表紙とタイトルに惹かれて図書館で借りてきました。
ページ数は300ページ超とそこまでものすごいってわけじゃないのに、読むのに5時間以上かかってしまいました。


【武智麻呂の虫】
【与一】
【敢えて銘を刻まず】
【勘弁ならねえ】
【狐落とし】
【私はひばり】

が収録されています。

時代小説と銘打たれているんですが、前半はどちらかというと歴史小説めいているな、と。
文体も漢文調とでもいえばいいんでしょうか。旧かな使いとまではいいませんが、古文の教科書読んでる気分になりました。
私、時代小説はそれなりに読みますが、歴史をまともに学んでいないので歴史上のあれこれはほとんどわかんないんですよ。
なので、結構序盤はきつかったです。

後ろにいくにしたがって、徐々に近代に近づいてくるように収録さえた短編集なので、徐々に読みやすくなっていくんですが、序盤で躓いてしまう人が多そうだな、と思ってしまいました。


【武智麻呂】は藤原武智麻呂の謀略について描いた作品。
この人は飛鳥時代から奈良時代にかけて生きた人ですね。
藤原家の血を引く子を天皇としようとする話です。

【与一】は弓矢の名手とされる那須与一の話。
源平合戦というか、源義経の部下として有名ですね。
文章のほとんどが「~のでなければならない」という一文で終わるんですが、この与一なる人物は、実は真偽が定かではないんだとか。
この人が“作り上げられた”理由が書かれています。

【敢えて】は刀鍛冶の話です。
自身の腕と価値を改めて見直し、人に使えている身から解放されるまでの話が描かれています。
自分の身の丈を知る話といってもいいかもしれませんね。

【勘弁】は時代的には赤穂浪士のときっていえばわかりますかね?
元お武家と町人の交流を描いた人情モノとでもいえばいいかな。
とりあえず、内田先生が悪いわけじゃないんだけど、めちゃくちゃ紛らわしいな、と。

【狐落とし】は修験者(山伏)がとある奥方に憑りついた狐を落とそうと頑張る話。
憑き物としては有名どころであろう狐ですが、こういう落し方もあるんだなーと単純に関心してしまいました。
私の中の憑き物落としって祝詞なり真言なりを唱えて狐をあぶりだして滅する、というイメージしかなかったんです。
なので、あぶりだし方もそうですが、狐を滅しないことにも驚いてしまいました。
やっぱり、ファンタジーに毒されてるなぁ。

【ひばり】は美空ひばりさんのそっくりさんの話。
なので、昭和平成の話になりますね。そのため、文体はふつう。
鳥の雲雀のことかと思って読み始めたので美空ひばりさんのことだとわかってちょっと驚きました。
はじめの【武智麻呂】と比べるともうめちゃくちゃ読みやすかったです(笑)
私は平成生まれの人間なので美空ひばりさんのことは全然知りません。
有名な歌手であったということ、故人であるということ程度はしっていますが、それくらいです。
なので、単純に「そうなのか」と思って読み進めることができました。
作中に登場するそっくりさんが実在するんじゃなかろうか、と思ってしまうくらいに真に迫っていました。


表紙やタイトルがすごく女性的なんですが、1話目がものすごく下品というか汚いというか。
なので、文体に慣れて読み進めてもそれに嫌悪感を覚えてしまう人がいそうです。
読み進めていけば結構面白いだけに、もうちょっとどうにかならなかったのかな、と思ってしまいました。

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眠り姫は魔法を使う/RIPPER GAME/D室の子猫の冒険

眠り姫は魔法を使う/霧咲遼樹
眉目秀麗!博学多識!!運動万能!!!
しかして、その実態は…
泣く子も黙る駄洒落(ギャグ)連発の大阪人!?
これが、僕、明智秀三の親友で、時計館高校の名物男、九尾描(ここのびえがく)。通称ネコ。
まあ、奴のお陰で、ひとめぼれのマリアとつきあえるようになったわけだけど…。
僕とマリア、ネコ、マリアの親友のアネゴ、清く?平和なグループ交際の日々に、突如、血なまぐさい事件が襲いかかった!!
一味違う学園ミステリーの新鋭、ここに登場!
RIPPER GAME /霧咲遼樹
お馴染み、時計間高校の超ゆーめー4人組。
ネコ、アネゴ、マリア、そしてヒデさん…
我らが正義の味方「探偵倶楽部」が、またまた事件に遭遇する!!
月明かりの夜、少女の背後に忍びよる切り裂き魔の恐怖!
殺人事件の直前に起きた飼い犬失踪の謎!
さて、名探偵たちの推理やいかに??
お待たせしました、大人気シリーズ第2弾!!
D室の子猫の冒険 /霧咲遼樹
ある日僕達NSP(ナイトスクープ・パーティー)のもとに、3匹の可愛い子猫たちが持ち込まれた。
飼い主探し?とんでもない。
この子たちが見つかったのは、今は閉鎖された西棟のD室。
問題は、そこが「密室」だったってことだ。
猫の子一匹入ることのできないはずだったD室に、なぜ子猫が? しかも3匹も??
表題作ほか一篇を収録した人気シリーズ第3弾!
はたしてネコは子猫の謎を解けるか!?


図書館で3冊借りてきました。
読んでる途中も思いましたが、めちゃくちゃ古い作品だったんですね。


【眠り姫】表題作【RIPPER】表題作「吠えなかった名犬の冒険」の2編、【D室】表題作「不思議を見る少女の冒険」の2編が収録されています。
作者のデビュー作とそのシリーズです。
あとがきを読む限り続けるつもりだったようですが、実質ここで打ち切りになったようです。
95年、96年、98年発売の作品なんでこれから続きが出ることはありえないでしょう。
というかむしろこれが未だに図書館で借りれることがすごい(笑)

漢字は違うんですが大分前に呼んで紹介した快傑!トリック☆スターズと同じ作者さんです。
Wikipediaによると、改名したものの編集側の意向で元に戻したらしいですね。

ちなみに、挿絵は封神演義の藤崎竜さんです。
といっても、2巻まで封神演義の連載前の話みたいですが。


メインとなる登場人物は4人。
九尾描(ここのびえがく)。眉目秀麗、博学多識の関西弁の美少年。通称ネコ。
明智秀三(あけちひでみ)。真面目な少年。ツッコミだけどちょっと天然入ってる。通称ヒデさん。
月真理亜(つきまりあ)。大人しくて優しい少女。ヒデさんの彼女。
姉小路鈴(あねこうじりん)。元気いっぱい剣道有段者にして武器コレクターの少女。通称アネゴ。

この4人を中心に、物語は展開していきます。


正直、デビュー作ということを差し引いても【眠り姫】はいろいろひどい。
【D室】くらいまでいくとこなれてきたのか比較的抵抗なく読めるんですけど、【眠り姫】はな……。
作者がいろいろ詰め込みすぎて全部が半端になった感が強いです。

正直、伝奇要素はいらなかった気がします。
3巻までで、正体?が明かされていればまだ違ったんでしょうけど、作者がまだ続けるつもりだったらしくそこは「これから描くよ」というスタンスを最後まで崩さなかったのが残念。
伏線をはりっぱなしにするくらいならないほうが良かったです。

結局、ネコの正体ってなんだったんでしょう。


前述の通り、この作品が発売されたのは90年代のこと。
携帯はあるもののまだそこまで一般的じゃなくて、ポケベルだとかが普通に存在していることですね。
皆が皆携帯を持ってる今の時代では信じられないことですが、家電に電話して家族に呼んでもらうとかしてた時代の話です。
当時、小学生だったんでポケベルがいまいちわかんなかったりします(笑)

この作品はメインの登場人物たちが学生ということもあって、舞台のほとんどが学校なんです。
ですから当然のごとく、先生たちも登場するんですが、その先生のほとんどが酷いのばっかりなんですね。
例外は1人くらい?
作者は教師に何か思うところでもあったんだろうか、とちょっと不思議に思ってしまいました。


個人的には、3巻に収録されている「不思議を見る少女の冒険」が一番好きでした。
罪を押し付けるとか普通は探偵としてあるまじき行為ですが、これはありだな、と(笑)

どんどん良くなっていっているのが明白だったゆえに、もうちょっと続けて欲しかったです。

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