忍者ブログ

(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】その他」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

なぜ猫は旅をするのか?

なぜ猫は旅をするのか?/永嶋恵美
町を歩けば猫と事件が待っている――性格は正反対、でもぴったりの二人が出逢うミステリー!
交通事故、記憶喪失、横には夏海――
ワケあって謎解きをしています。

人情と猫で知られる町の大学病院。医師の鳥羽裕太は事務の石倉夏海と、名誉の負傷がきっかけで親しくなった。車にひかれそうになった子どもを助けて事故にあったのだが、それが夏海の甥だった。
事故の衝撃で失われた記憶を求め、裕太は夏海に引っ張られる形で、いっしょに手掛かりを探し始める。ところが、どうも夏海は「人」と「事件(騒ぎ?)」を呼び寄せる天才のようで……

恋はゆっくり。謎はすっきり。
チャキチャキッと明るい連作ミステリー!


図書館で借りてきました。
表紙がとても可愛らしいです。


【第1話 月曜日のヒーロー】
【第2話 極秘任務は火曜日に】
【第3話 油断できない水曜日】
【第4話 雨の日と木曜日は】
【第5話 花咲く金曜日】
【第6話 ウィークエンドはお祭り騒ぎ!】

が収録されています。
あらすじにあるとおり、男の子を車から助けたら自分が強く頭を打ってしまい、事故前後の記憶を失ってしまったお医者さん・裕ちゃん先生こと鳥羽(とりば)裕太。
その事故がきっかけで男の子の叔母であり、勤務先の大学病院の事務員・夏海と仲良くなって、日常のちょっとした謎を解決していく話。

さらに事故の後遺症で高次脳機能障害なる「集中力が続かない」「注意力散漫」という症状が出ているんだとか。
精神科医ってこともあり、職場でいろいろ融通がきき、さらには周囲の理解があって生活に支障を来たすことなく暮らしている裕ちゃん先生は恵まれているなぁと思って読んでいました。
作中でも「外科医ならそうはいかなかった」と触れられていましたが、普通、そういう障害が残ってしまえば会社を首になってもおかしくないですよね。


タイトルがタイトルなので、猫が何かしら絡むミステリーなんだろうな、と思って借りてきたんですが、思ったより猫成分は少なめ。
ちょこちょこ登場はしているんですが、裕ちゃん先生がアレルギー持ちってこともあり、猫が登場しても見てるだけだったりするんですね。
ミステリー要素も「これってミステリー?」ってレベルです。
コージーミステリーは嫌いじゃないけど、謎が謎というほど難しいものじゃないのが残念でした。
だから、あらすじが「事件(騒ぎ?)」になっているんですね。納得。


ただ、タイトルにもなっている「猫が旅をする」って考え方はいいなぁと思いました。
私自身猫を飼ったことがあるわけじゃないんですけど、猫は死期が近づくと姿を消すというじゃないですか。
飼い主からするとそれはとても悲しいと思うんですよ。だから、それが死ぬための行動ではなく、楽しむために旅をしていると考えるとちょっと救われますよね。


多分、1時間半とかそれくらいで読み終わりました。
明るくほんわかしていてさらっと読めるそんな話でした。

読む前は可愛らしい表紙だな、と思っただけだったんですが、読み終わって改めて細かなところまで見ていくと、作中に登場したものがたくさん散りばめられているんですね。
こういう細かいところもこだわっているのはいいですよね。


最後に失っていた事故当時の話を取り戻して、物語としては一応完結しています。
裕ちゃん先生と夏海とハルくん(事故のとき助けられた夏海の甥っ子)の3人で過ごす様はまた見たいなとは思いました。
シリーズとして続編が出て図書館で購入したら読んでもいいかな、って感じです。

拍手[0回]

御役目は影働き ――忍び医者了潤参る

御役目は影働き ――忍び医者了潤参る/浮穴みみ
笹川了潤。美男、長身、医師にして常任。
しかし、三度の飯より検屍好き――
この忍び、目立つ。
「では早速参りましょう。死人は待ってはくれません」

死者に常ならぬ親しみを覚える忍びの青年・了潤。里で修行の日々を過ごしていたが、おしゃまなくノ一・真弓とともに江戸へ行くことに。忍者の素顔を隠し、町医者となった了潤は、亡き父に仕えていた美人助手・お蔦や、育ちはいいけれどちょっと間抜けな同心・伊織らとともにさまざまな謎を解く。
やがて見えてきた「敵」は……。
大江戸検屍エンターテインメント、見参!


昨日言っていた図書館で借りてきたラス1です。
なんとか読み終わりました~。


【出立】
【おらんだ大目】
【緋牡丹フラムと白い梅】
【黒い涙とキンゴウジャ】
【天狗のコルベルト】

が収録されています。
連作短編集ですね。


忍の登場する時代小説です。
帯にエンターテインメントとあるし、設定からして派手じゃないですか。
なので、忍たちと同心とでドタバタしながら事件を解決していく系の話だと思って借りてきたんです。

が、思っていたのと違いました。
検死云々は思っていたより少なくて、全体を通して「忍びの生き様」を描いた作品という印象の方が強かったです。

内容的には可もなく不可もなく、といったところでしょうか。
時代ものだと人情ものを好んで読んでいるってのもあるんですけど、正直、私はあんまり好きじゃないです。


途中、「仇討ちなんだよっ、鉄餕先生の。派手に花火を上げて差し上げるんだっ」ってあるんです。
それを読んで思わず「(銀魂の)高杉?」ってなってしまいました(笑)


同心・伊織が「ちょっと間抜け」ってレベルじゃないですよ。
もうちょっとちゃんとしたキャラじゃダメだったんでしょうか……。
でもまあ、あんまりちゃんとしたキャラであれだけグイグイ来られると早々正体がばれてしまうでしょうから、あれだけ間抜けなのも仕方ないのかもしれませんね。

まさか序盤のアレが最後に生きてくるとは思っていなかったのでラストにはちょっと驚いてしまいました。
ただの了潤のキャラ紹介にしか思っていませんでした。

拍手[0回]

小野寺の弟・小野寺の姉

小野寺の弟・小野寺の姉/西田征史
さえないけれど、ほっこり幸せに暮らすたった二人の物語。
東京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。
結構な歳だけど結婚できずにいる二人は、特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。
ある日、そんな小野寺家の郵便受けに間違って配達された一通の手紙。
二人はその手紙を届けに行くことにするのだが――。
引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。


図書館で借りてきました。
この方の本、はじめてなんですけどいわゆる業界人の方なんですね。


作者経歴を見ると、脚本家で演出家。最近のものだとタイバニのシリーズ構成・脚本をやられてたらしいです。
まあ、私タイバニ見てないんで(見たらはまりそうで怖い)「へーそうなんだ」くらいにしか思えないんですが。


内容的にはかなり軽かったです。さらりと読めてしまいました。
40代の姉と30代の弟、交互の視点で物語は進んでいきます。
作中の内容から察するに、6、7歳は離れている兄弟なんだと思います。

起承転結でいう転がない作品なので、本当に「ささやかな日常」って感じ。
あらすじに「間違って配達された手紙を届けることに」とあるんですが、本当にそれだけなんですよ。
届けてそれから何かに発展することがないんです。

間違って手紙が届いた。そうだ、届けてあげよう。お礼に桃を貰った。食べた。終わり。
なんですよ?
まあ一応姉の方が、 そこの住人・岡野さんが弟の元カノと似てた。これをきっかけに2人が付き合うようになればいいのに。
と思うわけですが、弟にそんな気が微塵もないので空回って終わってしまうので。

ノリとしては連作短編に近いですが、タイトルは章になっているので短編集では一応ないようです。


所々に挿絵というか、ワンポイント?といえばいいのかな。
作中で登場したものの絵があるんです。
その中に自転車の鍵があったんですが、すごく懐かしかったです。
一昔前の自転車の鍵っていったらわかります?今の後輪についてる鍵じゃなくて、前輪についてる妙な形をした鍵のやつ。
いつの間にか、後輪の鍵が主流になっていたので今じゃ中々見かけませんね。
閑話休題。


姉弟の両親はどうしたのだろう、ということが気になりました。
なんとなく、姉がまだ学生時代に死んでいるんだろうなと。歳の離れた姉が弟を育て上げたって印象を受けました。
だからこそ、普通の姉弟よりは距離感が近いのかな、と。

弟が姉を一人にすることを躊躇して、自分の縁談を流してしまっているのとかを見るとそういう背景があるのかな、と。
作中で明言されていた弟のせいで失ってしまった歯云々はその一端というか「目に見えてわかることだから」取り上げられたのかなーと思いました。

この姉弟は、これから先もずっと2人で生きていくんだろうな。
姉と弟、どちらがかけても生きていけないような気がするので、どちらかが欠けたらもう片方もひっそりと亡くなっていそうな印象を受けました。

拍手[1回]

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ad


ランキング



ブログランキング・にほんブログ村へ

カテゴリー

バーコード

ブログ内検索

プロフィール

HN:
柊木かなめ
性別:
女性
職業:
北海道のド田舎に住む会社員
趣味:
読書
自己紹介:
隠れ腐女子・柊木かなめのだいたい感想ときたま日常。
腐った視点からの感想もあるので苦手な方はご注意してください。
ツイッターやってます

何かあればこちらから→お問い合わせ

※当ブログはamazonアソシエイト並びにGoogleアドセンスを利用しています。
詳しくはこちら

ブログ村ランキング

広告

マクロミルへ登録 忍者AdMax

アーカイブ

Copyright ©  -- (腐)的感想文 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]

PR