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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】その他」の記事一覧

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林檎と蛇のゲーム

林檎と蛇のゲーム (『このミス』大賞シリーズ)林檎と蛇のゲーム/森川楓子
交通事故を母を亡くし、父と二人暮らしの珠恵。二週間の海外出張が決まった父が、留守中、珠恵の面倒をみてもらおうと連れてきたのは、水野玲奈という女性だった。珠恵は、「パパの恋人かもしれない」という勘繰りから、水野と打ち明けることができず、窮屈な毎日を過ごすことになる。
ところが、愛猫ミルクの失踪事件を発端として、珠恵は殺人事件に巻き込まれてしまう。さらには、父のベットの下から一億円を発見。その隠し金を抱え、水野とともに逃亡しなければならない事態になり……。
ドキドキのガールズ・ミステリー


図書館で借りてきました。
表紙がとてもかわいらしいです。
以前読んだ強運の持ち主と同じ方が表紙書いてるのかな?


『このミス』大賞作品って特に読んだことがあるわけじゃなかったんですが、名前は聞いたことはあったので、第6回『このミス』大賞最終候補作だというこの作品に対してちょっと楽しみにしていたのです。

読み終えた時点での感想としては「おもしろかった」につきるんです。
いったいどうなってしまうんだろう、とちょっとドキドキしてましたから、ラストの着地の仕方はなかなか。
ご都合主義っぽいのはあるんですけど、こういうご都合主義なら好きです。

ただこれってミステリーっていっていいのかなぁ、と。
確かに主人公である珠恵は事件に巻き込まれます。
(あらすじでは殺人事件となってますが、実際は死んでないので傷害事件かな)

でも、それについて推理するわけでもなく、逃げ込んだ女性宅で過去に父の身に降り懸かった出来事を延々聞いているだけだからなぁ。
事件自体も、犯人が自首したりするため推理らしきことをしているのは本当にわずかです。

おもしろいんですけど、ミステリーと銘打っているのにはちょっと首をかしげてしまいました。

正直な話、主人公であるはずの珠恵の存在感がかなり薄かった気がします。
水野の回想シーンが主なので、気づくといなくなってしまっているんですよね。
やっぱり、秘密をなにもしらない存在を主人公に据えなければいけないのはわかるんですが、ちょっとなぁ。


かなりスラスラと読み進めることができました。
元々がラノベ作家であるってことはやっぱり大きいのかと。
高瀬美恵という名義でも活躍されているそうです。


海外にいてまだ中窪さんと再会していない父・康孝。
康孝と中窪さんの30年ぶりの再会。それも見てみたかったなぁ。

内容的には結構ひどいことされているはずなのに、暗くならずにさらりと読めたのはよかったです。
この方の作品、他にも出てたら読んでみたいなと思ったのですが、『森川楓子』名義では出されていないようです。
図書館で高瀬美恵名義のものも見たことないのでちょっと残念です。

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葬神記 一法師全の慧眼

葬神記 考古探偵一法師全の慧眼 (角川文庫)葬神記 考古探偵一法師 全の慧眼/化野燐
怜悧な頭脳とカミソリのような態度。一法師全は私設研究所に所属する文化財専門のトラブル・シューターで“考古探偵”の異名を持つ。アルバイトの古屋は遺跡の発掘現場で 運悪く死体を発見して警察に連行されてしまう。“ぬかとさま”の祟りという噂が一人歩きをはじめる中、教育委員会から依頼を受けた一法師の登場によって事件は解決するかに見えたが、そ れは始まりに過ぎなかった。考古学ライトミステリ、シリーズ第1弾!


以前購入して置いてあった本です。
本屋で表紙と『考古学』というフレーズに惹かれて購入したのですが、そのときに隣にあった2巻も一緒に買うか悩んで、結局1巻しか買わなかったのです。
読み終わった今、購入しなくてよかったな、と思いました。

ぶっちゃけ、読みづらい上に好みじゃなかったので。
同じ『考古学ミステリー』なら私は北森さんの蓮丈那智シリーズの方が好きです。
あ、違う。あれは民俗学か。


物語は不幸な青年・古屋くんが死体を発見するところからはじまります。
不幸というか、お人好しというか、いろいろ押し付けられてそう。
古屋くんは警察に任意で連行されて、そこにやってきたのが『考古探偵』一法師全(いっぽうし ぜん)。
怒られながらも、古屋くんが犯人じゃないことを説明され、発掘のアルバイトを行うんです。

そこでのやりとりなんかから、一法師は殺人事件の犯人、強いてはその背後に潜んでいたものまで引きずり出します。

古屋くんが第一発見者となった殺人事件について、さっさと解明されてしまうので、はじめ「これ短編集なの?」と思ったのですが、そういうことではなくて。
複数の問題があって、それを順々にといていったらすべてが明らかになる、という形式の物語でした。

物語のキーを握っていた女性・菅生(すごう)さん。
物語はほぼ彼女と古屋くんを追うかたちで進みます。

ぶっちゃけ、話を読み進めていっても、誰に感情移入できるわけでもなく。
一番感情移入しやすいであろう古屋くん視点オンリーにした方が楽しめたのかな、と思いました。
でも、それだと菅生さんが持つ情報を出さなかったからなのかな。

最後の古屋くんにしかできない解決方法はよかったですが、その前の集団ヒステリー?にはついていけませんでした。
なんか訳がわからないまま話が進んでいて。
首を傾げてしまいました。

シリーズ第1弾なだけあって、微妙な伏線がはられています。
ですがそこまで気になりはしませんでした。
ぶっちゃけ、一法師に魅力を感じなかったので、彼の過去に何があってもあんまり気にならないというか……。
そんな感じ。

図書館にあったら借りるくらいはしそうですが、わざわざ自分で買ってまで読もうとは思いません。
まあ、地元の図書館って文庫の購入率が異様に悪いので、きっと続きを読むことはないんだろうなぁ。

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ウォーターソング

ウォーターソング (コバルト文庫)ウォーターソング/竹岡葉月
銀河に広がる開拓惑星。中でもとびきりの欠陥惑星であるナットの街に、転校生がやってきた。アサヒというその少女のおかげで、ナットたちの生活に波紋が!? (僕らに降る雨)
八歳のアサヒは、特殊な自治惑星の街バゲットで母親のセイと暮らしていた。そこにヒムロという男が現れ、彼女の子ども時代は終わりを告げることに……。(ウォーターソング)
新鋭が贈る愛いっぱいのSFファンタジー!


図書館で借りてきました。
図書館にあるラノベはほぼコバルト(残りはTEENS HEARTとかWHITE HEART)で、私自身ファミ通や富士見ファンタジア文庫ってあんまり読まないんで知らなかったんですが、けっこうたくさんのシリーズを出版されてたんですね。
挿絵は文学少女の竹岡美穂さんなんですが、
ブクログ(というかアマゾン)では木下さくらさんになってます。
あれー?木下さんって魔探偵ロキの方ですよね。
謎です。どうなってるんでしょうね。


あらすじにもある通り、2編が収録されています。
欠陥惑星に住む小学生が主人公の『僕らに降る雨』と、
自治惑星バケットに取材にやってきた男とそこで出会った親子の話『ウォーターソング』

 
まず、『僕らに降る雨』から。
主人公はナットことナサニエル。
学級委員で、男子の中では成績は上位。いろいろごちゃごちゃ考えている理屈っぽい少年です。

彼の住む星には強酸の雨が降り、直に雨にあたることなどできない。それどころか雨具を使ったことすらなかったんです。

そこに転校生アサヒがやってきたことから男女のパワーバランスは崩れ、クラスの雰囲気が悪くなったり、友人の転校が決まったり。
いろいろあって、ナットはクラスメイトを巻き込んで事件を起こします。

ぶっちゃけ、後半に収録されている『ウォーターソング』を読んでしまったあとだとかなり微妙。
ナットのやったことがその後の惑星開発に影響したりしてなかなかすごいんですが、『ウォーターソング』にのまれてしまったというか、かすんでしまったというか。
ボリューム的にも足りないので、仕方ないのかもしれませんけどね。

ちょっともったいない気がしました。


次、『ウォーターソング』
表題作です。
『僕らに降る雨』で転校生として登場したアサヒと、アサヒの父・ヒムロの話です。

プロローグで15歳のアサヒが登場するので、15歳のアサヒが昔(8歳)を回想しつつ何かやる話かと思いきや、15歳のアサヒが登場するのはプロローグのみ。
それ以降のアサヒはすべて8歳です。

アサヒが母親のセイと暮らしていたガラクタの街・バゲット。
そこに記者であるヒムロがやってきて、セイに拾われるところから物語はスタートします。

ジャンク屋たちにとってマドンナ的存在であった歌姫セイ。
彼女と、彼女の子であるアサヒは愛され慈しまれ生活をしていました。
セイがちょっと天然であったこと、周りが大人ばかりであったことからアサヒは8歳児とは思えないほど口達者な子に育ってましたけど、それでもとても幸せそうでした。

そんなこんなでセイはヒムロに心を許していき、ついに結婚まですることに。
しかし、幸せな日々が訪れる前に悲劇が起こるのです。

バゲットのジャンク屋たちが行っていた武器の裏取引。
それが原因で彼らは武力制圧されてしまうのです。

情けないけど、いい子だったバルス。
ジャンク屋として見習いだったから裏取引のことをまったく知らなくて……、好いた女を守って死んでいった彼にすごく悲しくなってしまいました。

空港でのやりとりが、明るい未来を示していてそれが救いでした。


あとがきでも触れられていましたが、「ナットはヒムロどころかバルスにすら負けてる」ってありましたが、本当にそうだなと思いました(笑)

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