FW(フィールドワーカー) 猫の棲む島/鷹野祐希
“呪われたゼミ”――東ノ宮大学文学部史学科の舟和ゼミを人はこう呼んだ。主宰者である教授の逆指名でゼミ生が決まる。学生に拒否権はなし。小美仁――今年は彼に白羽の矢が立った。ゼミ開始の新学期もまだだというのに、小美は北九州の海の上で船酔いに苦しんでいる。舟和ゼミのフィールドワーク――民俗調査のためである。目指すは中恵島。島民の数よりも島を覆うおびただしい猫、猫。異様な雰囲気のなか、事件は起こった!!
9月に入ったので、秋っぽいテンプレートに変えてみました。
図書館で借りてきた本です。
ホワイトハートって、自分で買うことないんでよくわかってなかったんですが、レーベルロゴの違いでその作品がBL(というか耽美?)か否かわかるんですよね。
ウィキペディアによるとBLは紫、それ以外だと青だそうです。こういう配慮ってBLが混在しているほかのレーベルでも必要だと思います。
この作品も表紙が表紙なので男同士の絡みがいくらかあるんだろうなぁと思ってみてました(表紙を見た妹にもBL?と聞かれました)。
すいません。微塵もなかったです(汗)
物語は船上からはじまります。
呪われたゼミに逆指名されてしまった小美ことシャオが、民俗学の研究の一環であるフィールドワークに赴き、そこで事件に巻き込まれるという話。
「民俗学のフィールドワーク先で事件に巻き込まれる」と書くと北森鴻さんの
蓮丈那智シリーズを思い出してしまいましたが、あちらはきちんとしたミステリーであるのに対し、こちらは伝奇系といえばいいのかな。
オカルト的な事件に巻き込まれます。
おもしろかったです。
読んでいて引き込まれる感じがあったので、結構一気に読めてしまいました。
まあ、この手の神話解説系を半分流し読むのはいつものことです。
あとは方言がわからないので、意味を理解というか推測?するのがちょっと大変でしたけど。
ただ、結構残酷な描写があるのでそういうのが苦手な方や、精神的に参っている方にはおすすめできません。
三人称でたんたんと語られる儀式風景は読んでいて顔をしかめてしまいたくなってしまいました。
正直、想像すると非常に気持ち悪いです。
最後の方の「どうして俺がなんかしなくちゃならないんだよ!」ってのはそれだけ読んだらすごく自分勝手な感じがしますが、彼らがやったことを考えるとすごく深いセリフだなぁ、と思いました。
ホワイトハートの対象年齢がラノベとしては群をぬいて高いことはなんとなくわかっていましたが、この作品はラノベレーベルで発表する必要性を感じませんでした。
しかも新シリーズと銘打たれているんですが、2巻は出てないんですよ。
ウィキペディアによると2巻の執筆はなされ、編集部に提出こそされているものの刊行にはいたらなかったようです。
すごくもったいないなぁ、と思います。
同じ講談社なんだから講談社ノベルスとか文庫とかで出しても良さそうな気がするのですが、だめなのかな。
最近の他レーベルの作品を再出版しシリーズ復活みたいな流れにのっかってこれも出してくれないかなぁ。
シリーズ化する予定だったからこそ、永吉がシャオを知っていた理由、シャオが舟和ゼミに逆指名された理由なんかは明らかにされていません。
すごく気になるんですが今後明らかにされることはないですよね。すごく残念です。
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